株式会社サンヴィレッジ(栃木県足利市)と日本蓄電池株式会社(東京都千代田区)が、系統用蓄電所の開発に向けた業務提携を結びました。この協力により、合計出力100MW、蓄電池の容量が約400MWhに達する蓄電所の開発を目指す一環として、両者の強みを最大限に活用し、国内におけるエネルギーの安定供給に対応する事業を展開します。
サンヴィレッジは2012年に創業し、地域との共生を大切にしながら、安全な発電体制を構築することを企業の方針として掲げています。これまで、北関東を中心とした太陽光発電所の開発・建設を積極的に推進してきた他、最近では非FIT(固定価格買取制度)太陽光発電所の開発にも注力しています。再生可能エネルギーの導入と電力系統の安定運用の両立が求められる中、系統用蓄電池の重要性が増しています。サンヴィレッジは今後全国的に系統用蓄電所の開発を進め、250か所(総出力500MW)を目指していく計画です。
一方、日本蓄電池は脱炭素社会の実現に向け、カーボンニュートラル推進と再生可能エネルギーの普及が必要だと認識し、電力の安定供給を実現する「調整力」の確保を重要課題としています。系統用蓄電池に注力する事業を展開し、日本のエネルギー政策における品質向上を目指しています。
最近、両社は愛知県春日井市において、2MW/8MWhの高圧蓄電所を2025年5月7日より商業運転開始することを発表しました。このプロジェクトは、両社の初の共同運営案件であり、新たなエネルギー供給の形を提案します。
【愛知県春日井市西尾蓄電所の概要】
蓄電所の容量は2MW/8MWhで、中部電力管内に位置します。蓄電池システムにはHUAWEI製のコンテナ型蓄電池LUNA2000-2.0MWHを4台使用しています。運転開始は2025年5月7日を予定しており、容量市場、需給調整市場、卸売市場にも対応する予定です。
未来のエネルギーシステムに向けたサンヴィレッジと日本蓄電池の提携は、持続可能で安定したエネルギー社会の構築に向けた大きな一歩となるでしょう。両社は今後も連携し、再生可能エネルギーの普及や新たな蓄電技術の開発に力を入れていく意向を示しています。地域社会の電力需給に貢献しながら、新たな価値を創出していく姿勢が注目されています。
この提携を通じて、エネルギー効率やデジタル化、持続可能性の観点からも、革新を促進し、日本のエネルギー供給の未来を切り拓いていくことでしょう。サンヴィレッジと日本蓄電池の手を組んだ取り組みは、業界全体にポジティブな影響を及ぼすと期待されています。