オイシックスと東京慈恵医大の共同研究
オイシックス・ラ・大地と東京慈恵医科大学は、新たに共同臨床研究を始めることが明らかになりました。この研究は、乳がん患者を対象に、化学療法中の食事支援サービスがどのように彼らの生活の質(QOL)に影響を与えるかを探るものです。日本において、乳がんは女性のがん罹患率の中で最も高く、治療中の栄養管理が重要であることが示されています。
研究の目的と期待
近年、がん治療においては、身体的な症状や副作用からQOLが大きく損なわれるケースが多いです。特に化学療法を受ける患者は、食事に関する問題を抱えることがしばしばあります。そこで、ヘルスケアOisixを用いた食事サポートに焦点を当て、このサービスががん患者にどのように寄与できるか、以下の点が主要な研究意義として挙げられています。
- - 乳がん患者の抗がん剤治療中でのQOL向上を図る食事サポート方法の提案
- - ヘルスケアOisixが患者の代謝に与える影響の解明
- - 乳がん患者における栄養管理の重要性のエビデンス提供
- - 将来的な乳がん患者の治療における食事管理ガイドラインの策定への貢献
この研究は2024年10月から2025年10月の間、東京慈恵会医科大学附属病院で行われます。化学療法を受ける20歳以上の乳がん患者が対象であり、研究結果が実用化されることで、より多くの患者が恩恵を受けることが期待されています。
ヘルスケアOisixの開発
ヘルスケアOisixは、がん患者のために特別に開発されたミールキットであり、30名以上の医療専門職や15の患者支援団体と連携して作られました。商品の開発にあたっては、患者の栄養管理や精神面の負担軽減を目的としています。これにより、がん患者の日常生活にさらなる安心をもたらすことが狙いです。
現在、2024年5月には、独自の要件を設定した4つの食事シリーズ「バランスKit」「塩分3g以下Kit」「1日分の野菜Kit」「高たんぱく質Kit」を提供し、様々なニーズに応じた食事支援を展開しています。
ヘルスケアKitの特徴
ヘルスケアKit Oisixの開発には、以下の6つの独自の栄養要件が反映されています。
1.
たんぱく質: 日本人の成人女性の必要量に基づいて設定。
2.
カロリー: 1人前500kcal以下にコントロールし、肥満予防に寄与。
3.
野菜量: 厚生労働省の推奨に基づき、半量の摂取が可能。
4.
食塩相当量: 健康的な食生活を支援するために適切に設定。
5.
食材品目数: がんサバイバーに推奨される食材で構成。
6.
PFCバランス: 健康的な食事のためのバランスを追求。
これに加えて、ヘルスケアKit Oisixは調理器具の使用を極力制限し、誰でも簡単に調理可能なメニューを提供しています。特に、2024年6月からは冷凍食品の販売も開始し、顧客の声に応えた商品展開を行っています。
Oisixの概要と社会貢献
Oisixは2000年に設立され、「つくった人が自分の子どもに食べられる食材のみを食卓へ」という理念の下、有機野菜や加工食品を取り扱っています。
会員数は364,378人(2024年6月末時点)に達し、現在も全国で利用されています。また、2013年に始まったミールキット『Kit Oisix』は、シリーズ累計出荷数が2億食を突破しました。
オイシックス・ラ・大地は、安心・安全な農産物とミールキットの宅配を通じて、食の社会課題を解決することを目指しています。今後も、がん患者支援の取り組みや持続可能な食の提供に注力し、社会貢献を果たす企業としての活動を推進していくことでしょう。