「人が辞めない会社」のカギとは？ホワイト企業アワードの成功事例

人が辞めない会社を目指して

昨今、日本社会では少子高齢化や若年層のキャリア不安といった問題が深刻化し、働く人々の価値観も多様化しています。これに伴い、企業は「何のために働くのか」「どこで、誰と働きたいのか」を問い直さざるを得ない時代に突入しました。特に注目すべきは、企業が求める「人が辞めない会社」の実現です。

第12回ホワイト企業アワードが示すもの

2025年12月、東京・九段会館で開催された「第12回ホワイト企業アワード」には全国から113名の参加者が集まりました。本アワードは、従業員を大切にする取り組みが評価されるもので、268社の応募の中から14社が受賞しました。従来の評価基準では数値化された成果ばかりに目が行きがちですが、仕組みや文化としての労働環境に目を向けることが重要視されています。

「信頼関係」と「文化」の重要性

ホワイト企業アワードに参加する企業は、単に福利厚生を充実させるだけでなく、職場に根づく「信頼関係」や「文化」の醸成を重視しています。参加企業の代表者たちは、社員の声に耳を傾け、現場の課題に真摯に向き合い、その改善に取り組んできました。これらは、見えない部分でも組織を支える基盤となるのです。

アワードでは、実際にどのように社員が働いているのか、職場環境を如何に改善してきたのかが発表され、参加者からは具体的な取り組みが多くの意見を集めました。アンケートでは、参加者の全員が「非常に満足」または「満足」と回答し、実際の事例に基づいた内容が評価されました。

受賞企業各社の革新的な取り組み

受賞企業は多様性があり、それぞれが異なる分野で紹介されました。例えば、社会福祉法人かるべの郷福祉会は理念共有部門での受賞、バルテス・ホールディングスは働きがいと働きやすさの両立で評価されました。これらの成功事例は、他社にとっても参考になりうる実践的なモデルです。

新たな企業間のつながりを構築

アワードの後には「ホワイト企業認定企業交流会」が開催され、経営者同士の課題を共有し、解決策を見出すための貴重な対話が生まれました。「採用や定着の問題を率直に語り合えた」「同じ志を持つ企業と深い対話ができた」との声が多く、参加者は新しい視点を得ることができたと語ります。

持続可能な人材育成と企業文化の必要性

今後ますます多様化が進む社会において、企業は単に利益を追求するだけではなく、働く人々が心から「この会社で働けて良かった」と感じる場所である必要があります。そのためには組織全体で人を大切にするという姿勢が不可欠です。

一般財団法人日本次世代企業普及機構が推進するホワイト企業認定は、企業が従業員を如何に大切にしているかを評価し、認定を取得した企業として社会に周知していくことを目的としています。