ハウディとZenmuTechが描くデータ転送革命
株式会社ハウディと株式会社ZenmuTechは、ネットワークに接続できない環境下でのデータ転送の安全性を追求する新たな協業を発表しました。この取り組みは、IoTデバイス「RxT-01」とZenmuTechの秘密分散技術を組み合わせることで、実験機器からPCやクラウドへデータを安全に搬送するプロセスを構築することを目指しています。
背景と必要性
近年、研究現場ではデジタルトランスフォーメーション(DX)が求められており、AIやデータ駆動型の研究に対応するためには、安全で迅速なデータアクセスが不可欠です。しかし、電子顕微鏡やX線回折装置などの実験機器は、セキュリティの観点からネットワークに接続されず、従来の物理媒体を用いたデータ転送が行われています。この方法は時間がかかり、データの機密管理にもリスクを伴います。
そんな中、ハウディは東京大学情報基盤センターと共同で「RxT-01」を開発しました。このデバイスは、ネットワーク非接続環境で大容量データを高速かつ安全に搬送することができるのです。
協業の内容
今回の協業では、「RxT-01」にZenmuTechの秘密分散技術を融合させ、データを分割・無意味化して搬送する仕組みを整えます。この技術により、研究データが搬送中や保管時に漏洩するリスクが大幅に減少します。両社はこの新しいセキュリティ基盤を通じて、研究者が安全にデータを活用できる環境を整備することを目指しています。
今後の展開
両社は、「RxT-01」と秘密分散技術の連携に関するPoC(概念実証)を行い、研究機関における実運用に向けた検証を進めていく予定です。また、医療や製造業、官公庁など、ネットワーク接続が厳しく制限されている環境においてもデータ保護が求められる分野への展開を視野に入れています。これにより、全社会のデジタルシフトとセキュリティの向上に貢献することを目指しています。
「RxT-01」とは?
「RxT-01」は、ハウディと東京大学情報基盤センターの共同研究によって開発されたIoTデバイスで、セキュアな構造を持ちつつ、様々な接続性を有しています。これにより機密性の高い研究データを安全に搬出し、管理することが可能です。
ZenmuTechの秘密分散技術について
ZenmuTechの秘密分散技術は、データを意味を持たない分散片に分け、別の環境で管理することで安全性を向上させる技術です。ZenmuTechは、この技術を用いた多様な製品を提供しており、企業のデータ保護に大いに寄与しています。
ハウディとZenmuTechの協業は、既存のデータ転送方法に新たな価値をもたらし、今後のデジタル化社会の中でのデータ保護の在り方を変えていく可能性があります。この取り組みが、研究者やビジネスパーソンにとっての新しい選択肢となることを期待しています。