「しらなみ」竣工!安全運航へ
2023-04-28 17:29:17
有人自律運航搭載!内航石炭専用船「しらなみ」竣工 ~JERA向け、安全・効率的なエネルギー輸送に貢献~
有人自律運航システム搭載の石炭専用船「しらなみ」竣工
4月28日、日本郵船が発注した石炭専用船「しらなみ」が、本田重工業株式会社佐伯工場(大分県佐伯市)で竣工しました。JERA常務執行役員らが出席した命名式を経て、この画期的な船は新たな航海へ出発します。
「しらなみ」は、2022年7月に竣工した「うしお」の姉妹船です。最大の特徴は、国土交通省の「海事産業集約連携促進技術開発支援事業」の一環として、有人自律運航システムを試験導入している点です。このシステムは、航海と機関の両面で革新的な技術を採用しています。
先進技術による安全運航と効率化
航海系システムは、カメラと各種センサーによる情報統合で周囲の船舶交通状況を正確に把握。これに基づき、安全な避航計画を立案するサポート機能を提供します。今後、実証実験を通じてデータを取得し、「うしお」の運航データと組み合わせることで、有人自律運航の更なる安全性向上を目指します。
機関系システムは、陸上管理システムとシミュレーション技術を活用。機関の異常を早期に検知するだけでなく、その原因を推定することも可能になります。これにより、安全運航の確保に加え、乗組員の作業負担を軽減する効果も期待できます。
エネルギー安定供給への貢献
「しらなみ」は、「うしお」と同様に、JERAとの運送契約に基づき、アジアパシフィックマリン株式会社が運航します。海外から東京湾内の中継基地へ輸送された石炭を、横須賀火力発電所へ二次輸送する役割を担います。
また、粉じん対策として、ハッチカバーの密閉化による揚げ荷役を行うなど、環境への配慮も徹底されています。
日本郵船グループは、「しらなみ」の運航を通じて、外航海運と内航海運のシームレスな連携による効率的な二次輸送ネットワークを実現。エネルギーの安定供給に貢献していきます。
社会課題解決への取り組み
近年、内航海運業界では船員不足や長時間労働が大きな課題となっています。「しらなみ」に搭載された有人自律運航システムは、これらの問題解決に向けた取り組みの一環でもあります。日本郵船グループは、関連会社と協力し、技術革新による社会課題の解決を目指しています。
「しらなみ」概要
全長:126.99m
全幅:24.00m
総トン数:9,714トン
載貨重量トン数:8,628トン
造船所:本田重工業株式会社
船籍:広島県東広島市
本船の竣工は、日本郵船グループの中期経営計画“Sail Green, Drive Transformations 2026”、そして2030年ビジョン「総合物流企業の枠を超え、中核事業の深化と新規事業の成長で、未来に必要な価値を共創します」を着実に実行する上での重要なマイルストーンとなります。ESGを中核とした成長戦略を推進し、持続可能な社会の実現に貢献していきます。
会社情報
- 会社名
-
日本郵船株式会社
- 住所
- 東京都千代田区丸の内二丁目3番2号 郵船ビル
- 電話番号
-
03-3284-5151