食品製造業のデジタル変革を支えるコンソーシアム設立

生産設備データ標準化コンソーシアム設立のお知らせ

2025年7月、食品業界の主要企業は「生産設備データ標準化コンソーシアム」を発足させました。このコンソーシアムは、食品製造業における「製造DX」の実現を目指しており、生産設備のデータ収集と利活用を促進します。参加企業には、味の素株式会社、カルビー株式会社、サントリーホールディングス株式会社などが名を連ねています。

生産DXの重要性

現代の食品製造業は、労働集約型の特徴を持ち、特に人手不足が深刻な問題となっています。これにより、さらなる生産性の向上や、品質保証の高度化が求められています。そこで、コンソーシアムは、共通のデータ標準を策定し、中小企業でも低コストで製品品質を向上させる手助けを行う意義があります。

課題とニーズ

食品製造業では、各製造ラインで異なる通信規格とデータ形式が用いられています。このため、データを一元管理し、分析することが難しくなっています。機械メーカーと食品メーカーがそれぞれ異なる仕様やプログラムを使うため、標準化が急務です。これにより、対応にかかるコストや労力が増え、業務効率が低下しています。

コンソーシアムの目指す姿

コンソーシアムでは、標準化されたデータ仕様の確立を目指します。食品メーカーは、標準的なプログラムを求め、機械メーカーもそれに応じることとなります。これにより、データ利活用がスムーズに進み、誰でも運用ができる環境が整います。

また、データ通信方法の共通化により、専門的な知識がなくても、効率的に生産性や品質の向上が図れることが期待されます。特に、業界全体が恩恵を受け、中小企業も取り組みやすくなることで、消費者に向けた製品の安心と安全にも貢献します。

主な活動内容

1. データ標準化の推進
- 通信規格やデータ仕様に関する標準化を行い、食品製造業と機械製造業との合意形成を図る。

2. 利活用の検証と実証
- 標準規格に基づく生産設備データの利活用に関する検証も行い、モデル実証やガイドブックの作成を行います。

3. 普及促進
- 作成したガイドブックを活用し、標準化の普及に努めます。農林水産省など関係官庁とも連携し、情報発信を行います。