株式会社テムザック、屋内用小型移乗・移動装置の開発に着手
株式会社テムザックが、公益財団法人市村清新技術財団の第113回新技術開発助成事業に採択され、新たに屋内用の車いす「RODEM」の新モデル開発に着手しました。この開発プロジェクトは、介護や介助が必要な方の屋内での移動を支援し、より自立した生活を可能にすることを目的としています。
1. 開発の背景
従来の車いすや天井リフトを利用した移乗は、高齢者や身体的に不自由な方々にとって、自身で立ち上がることを強いる場合が多く、介護者を必要とするシーンが少なくありません。その結果、移乗の際に大がかりな設備を用意する必要があり、使い勝手が悪くなってしまうこともありました。テムザックは、このような問題を解消するために、自宅内での簡単で安全な移動を実現する新型RODEMの開発に取り組むことを決定しました。
2. 新技術の特徴
新たに開発されるRODEMは、後ろから乗り込むデザインと座面の上下機能を備えており、従来の車いすでは実現できなかった部分にも対応しています。特に、座面が高く設定されているため、周囲との目線が同じになり、コミュニケーションがとりやすくなります。これにより、乗車している利用者は、他の人々と同じ高さで会話を楽しみながら、観光地やショッピングなどのシーンにもスムーズに参加することが可能となります。
3. 期待される効果
この新モデルのRODEMは、介護現場でのニーズに応えるだけでなく、介護者の身体的負担を軽減する効果も期待されています。従来の介護では、高齢者を抱え上げたり移乗させたりするため、介護者にとって負担が大きく、腰痛などの健康問題を引き起こす原因にもなっていました。この新型RODEMにより、特に上肢や体幹が健康な高齢者が自宅内で自立した生活を送る支援ができ、その結果、介護者の離職を防ぐ一助となるでしょう。
4. 次世代スマートモビリティ「RODEM」
RODEMは、真のバリアフリーの実現を目指した次世代のスマートモビリティです。この製品は、移動に苦労する人たちが、どんな環境でも自由に移動を楽しむことができるように構築されています。また、観光案内や多言語翻訳、経路案内などのアプリケーションも搭載されており、街なかでのシェアリングや過疎地域での交通手段としての利用が期待されています。
5. 市村清新技術財団とは
市村清新技術財団は、科学技術の振興を目的に、優れた研究開発を助成するなどの活動を行っています。このような支援は、国の経済や社会の発展にも寄与する重要な役割を果たしています。テムザックの今後の活躍にも期待が高まります。
今後、この新型RODEMがどのように高齢者や介護者の生活を変化させていくのか、注目が集まっています。