株式会社土屋が1on1ツールを導入
介護業界の深刻な人材不足が懸念される中、株式会社土屋(本社:岡山県井原市)は、2024年11月より全社で1on1ツール「Wistant」を導入することを発表しました。この取り組みは、職場環境の改善と人材育成を目指し、離職率の低下に貢献することを目的としています。
介護業界が抱える課題
介護業界では、他の業種に比べて特に離職率が高く、職場の人間関係がその原因とされています。株式会社土屋は、重度障害をお持ちの方への訪問介護や高齢者向けのデイサービスを提供する企業です。人材不足は業界全体の大きな課題であり、現場では疲弊が進んでいます。これを改善するため、1on1ツールの導入を決定しました。
1on1ツール「Wistant」の目的
「Wistant」は、上司と部下の定期的な個別面談を促進するためのピープルマネジメントツールです。このツールの導入により、コミュニケーションを活性化し、より良い職場環境を築くことが期待されています。対象となるのは役職者以上ですが、今後は全社員への浸透も目指しています。
経営層と従業員のメリット
1on1ツールの導入には、新たなコミュニケーションの場を設けることで、経営層の方針や理念を全社に浸透させる目的があります。特に経営側の意向が現場に誤って伝わることが多いため、情報の断絶を防ぎ、理解を深める必要があるのです。また、経営層にとっても、トップダウンのコミュニケーションの効果を可視化することでリスクを軽減することが期待されます。
従業員にとっては、上司との対話を持つことで心理的安全性が確保され、業務に関する意見を気軽に伝えやすくなります。これにより、業務のスムーズな進行や信頼関係の強化が図れることになります。
現場のコミュニケーション不足を解消
株式会社土屋の主な事業は重度訪問介護であり、スタッフは直行直帰のスタイルが多いです。このことから、コミュニケーションが不足し、孤立感すら生じることが長年の課題でした。コミュニケーション不足が離職に繋がる要因と考えられています。1on1の実施により、このような問題を特に解消することが期待されています。
これまでの1on1は、役職者の自主性に委ねられており、実施頻度にばらつきがありました。しかし、ツールの導入により、会社から意図的に定期的なコミュニケーションの場を設けることができるようになります。
今後の方針とデータ分析
「Wistant」にはデータ分析機能が盛り込まれており、導入後には信頼関係の構築や業績、離職防止率との相関性を測定することを予定しています。既に先行試験を行った部署からは、信頼感の向上とモチベーションの上昇が報告されています。
2024年11月の初期データでは、1on1に参加したメンバーの9割以上がその効果を実感しています。今後は社内での定期的な研修を進め、1on1の重要性を浸透させ、リーダーシップを育成しながら、人材の定着率も向上させていく計画です。
まとめ
株式会社土屋の1on1ツール「Wistant」の導入は、介護業界において働きやすい環境を創出するための重要な一歩となります。コミュニケーションの活性化が、離職率の低下へと繋がることが期待されており、今後の展開が非常に注目されます。