電子ペーパーの未来
2010-05-24 17:49:55
E Ink社とChilin社が電子ペーパーを革新する業務提携を発表
E Ink社とChilin社が業務提携、電子ペーパー市場の新たな展開
米国のE Ink社と台湾のChilin Technology社(奇美グループ)が、電子ペーパー分野での業務提携を発表しました。この共同プロジェクトにより、両社は低消費電力の工業用および特殊用途向けの電気泳動タイプの電子ペーパーディスプレイを量産・販売することとなります。
この提携により、Chilin社はE Ink社の特許技術で製造された電子ペーパーフィルム「VizplexTM」を供給され、より多くのカスタム化されたディスプレイを市場に提供できるようになります。E Ink社は、この協業により製品ラインの拡充を図りつつ、Chilin社の持つ製造技術によって、信頼性の高い製品を安定的に提供することが可能となります。
Chilin社は、RF/Zigbee(近距離無線技術)、バーコード機能、RFID技術、最新のセンサーなど、自社製品に新技術を取り入れる実績があります。この二社の連携によって、急速に成長する電子ペーパービジネスはさらなる加速を見せるでしょう。
E Ink社は、電子ペーパー技術開発において豊富な特許を持つリーダーであり、今回の提携によってChilin社が提供するカスタム化された高品質のディスプレイ技術と、低消費電力で直射日光下でも視認性の高い、軽量なディスプレイ技術が融合します。これにより、幅広い用途に対応した製品が実現します。
E Ink社のマーケティング副社長であるSriram Peruvemba氏は、「Chilin社が供給する電気泳動ディスプレイモジュールは、工業用途市場の低消費電力、高視認性の要求に合致する」とコメントしています。この提携によって実現する技術は、紙や印刷物に代わる新しいソリューションを提供し、消費者や業者にとって利便性の向上が期待されています。
新たな市場のターゲットには、広告業者や店舗オーナーが含まれています。広告業者は目を引くサイン媒体を求めており、Chilin社とE Ink社のソリューションを通じて、低消費電力で経済的な大型サインを提供可能となります。一方、店舗オーナーは適時価格を管理するために電子値札の導入を考えており、この協業がその実現を助けることになるでしょう。
現在、E Ink社とChilin社は共同開発した製品を、米国ワシントン州シアトルで開催中のSIDのE Inkブースで展示しています。また、量産は今年の下半期に開始される予定です。
E Ink社の概要
E Ink社は台湾の液晶メーカー、Prime View Internationalの子会社で、電子ペーパー技術におけるグローバルリーダーです。同社の技術は、電子書籍リーダーや公共表示ディスプレイなど、さまざまな分野で幅広く利用されています。
Chilin社の概要
Chilin社は1964年に設立され、OEM/ODM主体のエンジニアリング会社です。台湾の台南市に拠点を持ち、フラットパネルディスプレイ分野で高度な製造技術を持つ企業の一つです。日々、新たなディスプレイ技術の革新に取り組んでいます。
会社情報
- 会社名
-
E INK CORPORATION
- 住所
- 1000 Technology Park Drive Billerica, MA USA
- 電話番号
-
617-499-6000