新設計の豪華客船で実現した冒険体験の秘密とは
日本の「株式会社システムクリエイト」が開発したモデリングソフト「Rhinoceros」が、ロイヤル・カリビアン・インターナショナル社の最先端豪華客船「アイコン・オブ・ザ・シーズ」に搭載されたアドベンチャーアトラクション「スリル・アイランド」の設計に大いに役立っています。
「スリル・アイランド」は、嵐に包まれた熱帯の楽園というテーマで、多層的な体験が可能な施設です。ここでは、物語が展開し、最新のデザイン技術によって訪れる人々に特別な体験を提供します。プロジェクトを手掛けるのは、シハブ・ナイーム氏とロバート・ソルド氏のデザインチームで、彼らはゲストの体験を革新するという高い目標を掲げています。
多様なアトラクションの魅力
「スリル・アイランド」では、様々なアトラクションが自然の美とアートを融合させています。一番の目玉は、色とりどりの幾何学模様を持つウォーターパークです。そびえ立つスライダーはまるで嵐の後の自然の恵みを思わせるようなダイナミックさを持ち、思い出に残る水遊びを提供します。
さらに「クラウンズ エッジ」では、スリル満点の吊り下げられた道を進んで、空中からの大胆な降下が待ち受けます。このアトラクションが提供する高揚感は、訪れる人にとって忘れられない冒険となるでしょう。また、ベースキャンプ ダイニング エリアは、嵐の影響を受けた木造建築のデザインが特徴で、訪れる人々にしっかりと物語の世界観を伝えています。
その他にも、ロッククライミングやピックルボール、ミニゴルフなど、様々なアクティビティが楽しめる空間が広がり、まるで島全体が物語の一部になっているかのような体験を提供しています。全体として、訪れる人々はこの魅力的な空間で非日常を楽しむことができるのです。
設計と工程の挑戦
しかし、スリル・アイランドの設計は決して簡単なものではありませんでした。豪華客船「アイコン・オブ・ザ・シーズ」は、初めて建造されたため多くの変更が生じ、設計チームは計画を絶えずアップデートする必要がありました。そのため、ロイヤル・カリビアンの幹部との設計レビューが頻繁に行われ、ナイーム氏のチームは詳細な計画を何度も提出することが求められました。
特に「クラウンズ エッジ」では、複雑な技術的要件が満たさなければならず、ゲストの安全を確保しつつ没入感を維持するための設計が必要でした。エンジニアリングにはさまざまな制約があり、特に適切なクリアランスと荷重容量を考慮した設計が求められました。
最新技術の活用
ナイーム氏のチームは、これらの課題に工夫を凝らして取り組みました。「Rhinoceros」と「Grasshopper」というソフトウェアを活用し、パラメトリックモデルを生成することで、変わりうる要件に柔軟に対応しました。ウォーターパークの有機的なデザインは、Grasshopperによって開発され、効率的にプロジェクトを進める手助けをしました。
さらに、造船所でも「Rhinoceros」のモデルを基に製造が行われ、スムーズなコラボレーションを実現しました。これにより、ファイルの互換性に起因する問題を軽減し、正確な作業図面の作成を助けたことで、製造工程が効率化されたのです。
これらの革新的な手法や技術が結集され、結果として誕生したスリル・アイランドは、今後のクルーズ旅行に新しい風を吹き込む存在となるでしょう。
システムクリエイトの企業概要
最後に、株式会社システムクリエイトの企業情報を紹介します。大阪府東大阪市に所在し、様々な製造支援ソリューションを提供するこの企業は、3Dプリンターやスキャナー、CAD/CAMソフトウェアなど、多岐にわたる製品を扱っています。1992年の設立以来、ものづくりを支える重要な役割を果たし続けています。興味がある方は、ぜひ公式HPをチェックしてみてください。