絶版となった名作再生!英治出版と丸善CHIの新たな試みが始動
2025年4月25日、英治出版株式会社と丸善CHIホールディングス株式会社は、絶版となった名著『仕事は楽しいかね?』シリーズの復刊を発表しました。この取り組みは、両社の共同理念「良質な書籍を再び読者のもとへ届けたい」という思いから誕生し、5月9日の一般発売に先駆けて4月26日より全国の丸善ジュンク堂書店で先行販売が開始されます。
自主出版の取り組み
日本の出版界では、多くの書籍が流通する一方で、出版社の事情で絶版になってしまう良書も少なくありません。これまで読者に愛されてきた書籍が手に入らないのは非常に残念です。このような状況を打破すべく、英治出版と丸善CHIは資金を出し合い、絶版書籍の復刊に挑む「ブックファンド」をつくり出しました。このファンドは、書店の販売データを活用し、読者に再び良書を届けるための新たなスキームです。
英治出版は「Publishing for Change」をスローガンに、ユニークな出版事業を展開しています。さらに、独自の「ブックファンド」を通じて、読者の資金を募りその結果を出版という形に結実させてきました。一方で、丸善CHIは「知の生成・流通に革新をもたらす」というビジョンのもと、全国約100の店舗を展開し、文化の発展に寄与し続けています。両社の強みを活かした今回のプロジェクトは、書籍販売の新たな可能性を示しています。
復刊の内容
復刊される『仕事は楽しいかね?』は2001年に初めて出版され、以来多くの支持を受けてきた名著です。しかし、発行元の都合で絶版となっていました。また、続編である『職場は楽しいかね?――仕事は楽しいかね?2』も合わせて復刊され、2冊セットで販売されます。新たな装丁と挿絵に加え、現代の読者に適した内容へとアップデートされ、より一層魅力的になっています。
特に、『仕事は楽しいかね?』は、主人公が不思議な老人マックスと出会い、“仕事は楽しいか”という問いかけから始まるというストーリーで、退屈な日々に新たな視点をもたらします。また、『職場は楽しいかね?』では、中間管理職という立場で葛藤する主人公が、マックスを再び訪れ、良好な職場環境についての学びを得るという内容となっています。
新しい装丁と挿絵
新版では挿絵が新たに加わり、登場人物たちの表情や雰囲気をより引き立てるものとなっています。イラストは宮岡瑞樹氏が手がけ、温かみのある都会的な風景が描かれています。これにより、文章だけでなく視覚的にも楽しめる内容になっています。また、著者自身による内容の見直しや加筆が行われ、翻訳も旧版と同じ野津智子氏が担当しました。
先行販売の概要
復刊は4月26日より全国の丸善ジュンク堂書店で先行販売が行われます。一般販売は5月9日から開始される予定です。
ISBN: 978-4-86276-351-8
定価: 1,980円
- - 『職場は楽しいかね?――仕事は楽しいかね?2[新版]』
ISBN: 978-4-86276-352-5
定価: 1,980円
このプロジェクトは、読者に再び良書を提供するチャンスであると同時に、書店・出版社間の新しい連携の形を示唆するものです。今後もこのような取り組みを通じて文化の発展に寄与していくことでしょう。