子どもと軽運動
2025-12-11 14:07:33

短時間の軽運動が子どもの認知機能向上に寄与する可能性

短時間の軽運動が子どもの心身に与える影響



早稲田大学の研究によると、わずか3分30秒の軽い運動が子どもたちの認知機能や気分を向上させることが示されました。この研究は、運動後に認知機能が高まるだけでなく、快適度の向上や覚醒度の維持にも寄与することが明らかになり、特に教育現場での実践が期待されます。

研究の背景と目的



近年、子どもたちの運動不足や座位時間の増加が深刻な社会問題となっています。世界の80%以上の子どもが身体活動不足とされ、日本でも例外ではありません。このような運動不足は、心身の健康や認知機能に悪影響を及ぼすことが懸念されています。そこで、本研究では3.5分の短時間で誰もが簡単にできる低強度の運動プログラムを開発し、その効果を実験によって検証しました。対象者は小学5年生から中学2年生の生徒31名。彼らは、安静条件と運動条件の両方で実験を行い、それぞれの影響を測定しました。

実験内容



実験では、まず15分間を安静にして過ごし、その後は3.5分間の軽運動を行うという2つの条件で認知機能や気分を測定。運動プログラムは、ストレッチや片足バランス、手指の運動など、特別な器具を必要としないシンプルな内容です。この運動は、前頭前野の血流を増加させやすいことも考慮され、誰でも取り組みやすいように設計されています。

結果と考察



実験の結果、運動後に認知課題の反応時間が有意に短縮され、快適度が向上することが確認されました。安静状態では目立った変化が見られなかったことから、短時間の運動が子どもの認知機能や気分にポジティブな影響を与えることが示唆されます。また、座位にとどまった際の覚醒度の低下が運動によって抑制されることも報告されています。これは、教室で簡単に行える軽運動が、学習現場での集中力や効率を高める可能性を示しています。

研究の意義と今後の展望



この研究は、短時間の軽運動が子どもたちのメンタルヘルスや学習意欲に良い影響を与えることを示唆しており、学校や塾において早急に取り入れるべきプログラムとしてその普及が期待されます。今後、対象年齢を広げ、定期的な軽運動が長期的に心身にどのような影響を及ぼすかの検証も進めていく必要があります。また、軽運動の習慣化が大人や高齢者にも役立つ可能性があるため、幅広い世代に向けた応用研究も視野に入れられています。さらに、学校や塾での実践を支援するために、具体的な運動方法や道具を提供することが求められています。教育現場で簡単に取り入れられる低強度の運動が普及することで、子どもたちの健康を守り、学びの質を向上させることが期待されます。

まとめ



運動は心や脳に良い影響をもたらすことが多くの研究で示されていますが、本研究によって短時間の軽い運動が特に子どもたちにとって効果的であることが明らかになりました。日常的に軽運動を取り入れ、誰もが気軽にできる環境を整えることがさらなる健康づくりにつながるでしょう。 --- 本研究は2025年12月5日付けの『Scientific Reports』に掲載される予定です。


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