空気の資源化へ挑戦
2024-09-12 15:57:40

海洋性紅色光合成細菌を用いた「空気の資源化」に向けた挑戦と出資の意義

新たな空気の資源化に向けた技術



最近、グローバル・ブレイン株式会社が運営するShimadzu Future Innovation Fundが、海洋性紅色光合成細菌を活用した技術を開発しているSymbiobe株式会社に出資を行いました。Symbiobeは、京都府京都市に本社を置くスタートアップ企業で、京都大学の教授により開発された技術を基に活動しています。彼らは、二酸化炭素と窒素を同時に固定化し、微生物由来の有用化学品を製造することを目指しています。

現在、脱炭素化が重要視される中、二酸化炭素の固定化技術が多くの方法で研究されています。その中でも、Symbiobeの技術は特に注目を浴びています。海洋性紅色光合成細菌を用いることで、エネルギー効率が比較的高く、窒素を含む化合物の生成が可能です。これにより、従来の工業的な固定化方法に頼ることなく、持続的な資源利用が期待されています。

彼らの技術の最大の特徴は、海水を用いた培養ができる点です。この方法によって、環境への負荷を大幅に軽減することが可能となります。さらに、培養された生成物は多様な用途に利用できます。例えば、有機肥料や水産物養殖用の飼料、さらには繊維製品に至るまで、幅広い分野での応用が見込まれています。この意味では、環境に優しいとも言える技術であり、化学肥料に代わる選択肢を提供することができます。

同社は2023年12月に、紅色光合成細菌の培養デモプラントを稼働させることに成功し、生成されるバイオマテリアルの有効性も確認されています。今後は、山口県に新たなデモプラントの設立を計画しており、量産技術の確立や商業化の加速を目指しています。

グローバル・ブレインは、Symbiobeの優れた技術や、生成物であるバイオマテリアルの応用性を高く評価し、出資を決定しました。この資金調達を契機に、株式会社島津製作所と連携し、Symbiobeの事業成長を支援する方針です。持続可能な社会に向けた取り組みとして、彼らの技術の発展がどのように進展するのか、今後も注視が必要です。

Symbiobeの基本情報


  • - 会社名: Symbiobe株式会社
  • - 所在地: 京都府京都市西京区御陵大原1-39 京大桂ベンチャープラザ南館
  • - 代表者: 伊藤 宏次
  • - 設立日: 2021年1月
  • - 事業内容: 海洋性紅色光合成細菌を利用した二酸化炭素と窒素の固定技術及びバイオマテリアルの製造、販売
  • - URL: Symbiobe公式サイト

Shimadzu Future Innovation Fundの概要


  • - 名称: Shimadzu Future Innovation投資事業有限責任組合
  • - 運営会社: グローバル・ブレイン株式会社
  • - 運用総額: 50億円
  • - 運用期間: 10年間
  • - 投資対象: ヘルスケア、グリーントランスフォーメーション(GX)、マテリアル、インダストリー

グローバル・ブレインについて


  • - 会社名: グローバル・ブレイン株式会社
  • - 所在地: 東京都渋谷区渋谷二丁目17番1号
  • - 代表者: 百合本 安彦
  • - 設立日: 1998年1月
  • - 事業内容: ベンチャーキャピタル事業
  • - URL: グローバル・ブレイン公式サイト


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会社情報

会社名
グローバル・ブレイン株式会社
住所
東京都渋谷区渋谷二丁目17番1号
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