早稲田大学ビジネススクールがホストしたEFMDアジア年次総会
2024年の10月23日から25日の3日間にわたり、早稲田大学大学院経営管理研究科が国際的なビジネススクール認証機関であるEFMDのアジア年次総会を開催しました。このイベントには、アジアを中心に世界18の国と地域から約130人のビジネススクール関係者や企業の経営者が参加。
テーマの意義
総会のテーマは「Less complexity, More sustainability!」。これは、急速に進化するテクノロジーやサステナビリティ経営の重要性を反映したもので、参加者は多様な分野におけるビジネス教育の変革について議論しました。特に、時代の変化に遅れずに教育カリキュラムを刷新し、必要なスキルを持つ教員を確保することが重要視されました。
様々なセッションの内容
基調講演
元日産自動車COOの志賀俊之氏は、基調講演において日本の製造業が直面しているグローバル競争力の低下を例に挙げ、企業の持続的成長を支えるために人材育成が不可欠であると強調しました。
ファミリービジネスセッション
アジアにおけるファミリービジネスの重要性が論じられ、ガバナンス構造や後継者育成の課題が具体的な事例と共に議論されました。参加者は自国の経験を共有し、国際的視点で解決策を模索する機会となりました。
リスキリングの重要性
英国の専門家と早稲田大学の教授による分科会「Skilling for Life?」では、ビジネス環境の変化に伴うリスキリングの必要性が強調されました。各国の取り組みがワークショップ形式で発表され、参加者間での活発な意見交換が行われました。
カリキュラム改革
時代に合ったカリキュラムの編成についてのセッションでは、日本・フランス・ベトナムの事例が紹介され、国内外の教育内容をどう融合させるかが議論されました。
テクノロジーと教育の融合
「Data “New Currency of Knowledge” + Technology “New Driver”」という全体セッションでは、テクノロジーの進化を教育に迅速かつ効果的に取り入れる方法について活発な議論が展開されました。参加者は技術的側面のみならず、哲学的視点からも質問を投げかけるなど、多角的な議論が生まれました。
日本文化の学び
「Learning the Japanese way」と題したセッションでは、日本のアニメビジネスを題材に、海外の参加者とディスカッションが行われ、興味深い質問が多く寄せられました。
今後のビジネススクール教育への期待
3日間のカンファレンスを通して、ビジネススクールが果たすべき役割が再認識され、参加者は今後のグローバルな協力関係を強化し、社会に貢献する人材育成に尽力したいとの意見で一致しました。早稲田大学ビジネススクールの池上重輔教授は、今後の教育活動に反映させるために、得られた知見を活用し、教育の質向上に尽力する姿勢を示しました。
EFMDについて
EFMD(European Foundation for Management Development)は1972年に設立された国際的なビジネススクールの認証機関で、質の高い学びを提供するために様々な取り組みを行っています。日本では早稲田大学ビジネススクールを含む3校がEQUISの認証を受けており、教育の質向上に寄与しています。
早稲田大学ビジネススクールの役割
早稲田大学ビジネススクールは、専門的能力と判断力を備えた高度な専門職業人を育成することを目指しています。このような国際的な視点を持った取り組みは、未来のビジネスリーダーを育てるための一環として重要な意義を持っています。