ロタウイルスワクチン発売
2012-07-13 17:27:52
新たなロタウイルスワクチン「ロタテック(R)」が発売開始、感染防止に期待
ロタウイルスワクチン「ロタテック(R)」が新たに発売
MSD株式会社が、7月20日から新しいロタウイルスワクチン「ロタテック(R)内用液」の販売を開始しました。このワクチンは、特に乳幼児に多いロタウイルス胃腸炎の予防を目的としたもので、5つの主要な血清型を包括することで、より高い予防効果が期待されています。この5価経口弱毒生ワクチンは、G1P[8]、G2P[4]、G3P[8]、G4P[8]、そしてG9P[8]の各型をカバーし、ロタウイルス胃腸炎の要因の約90%を占めているため、注目される製品です。
ロタテック(R)の特長
「ロタテック(R)」は、3回の接種を通じてロタウイルスに対する免疫を育てることが期待されており、接種は生後6週から可能です。最近の研究によると、複数回の感染が自然免疫の強化に寄与することが示されています。これに基づき、ロタウイルスワクチンは3回接種を推奨する設定で開発されました。
この製品は、アメリカのMerck & Co., Inc.によって開発され、2005年にメキシコで承認された後、2012年には日本でも厚生労働省から製造販売の承認を受けています。MSDは、今回の「ロタテック(R)」の発売を通じて、ロタウイルス胃腸炎から乳幼児を守るための手段を提供することに貢献していく考えです。
ロタウイルス感染の実態
ロタウイルスは非常に感染力が強く、ほとんどの乳幼児が5歳までに一度は感染すると考えられています。このウイルスによる胃腸炎は、下痢、嘔吐、発熱などの重い症状を伴い、場合によっては脱水症状や脳炎といった深刻な合併症を引き起こします。現在、ロタウイルス胃腸炎に対する治療法は対症療法しかなく、家族にとっては看病や感染拡大への対策が大きな負担となります。
WHO(世界保健機関)は、ロタウイルスワクチンの定期接種を全ての地域で行うことを推奨しており、特に先進国でも依然としてロタウイルスによる重症下痢が見られます。実際、アメリカでは2006年からロタウイルスワクチンが定期接種に導入された結果、陽性例の数が顕著に減少しました。
まとめ
「ロタテック(R)」の発売によって、乳幼児のロタウイルスによる胃腸炎の予防がより一層進むことが期待されています。感染を未然に防ぎ、乳幼児の健全な成長を支えるために、ワクチン接種の重要性が高まっています。MSDは今後も、子どもたちの健康を守るための取り組みをさらに強化していく方針です。
会社情報
- 会社名
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MSD株式会社
- 住所
- 東京都千代田区九段北一丁目13番12号北の丸スクエア
- 電話番号
-
03-6272-1000