産業向けエネルギーマネジメント技術の実用化へ
堀場製作所(堀場エステック)は、国立研究開発法人NEDOの助成を受けて、需要変動が大きい産業向けのエネルギーマネジメント技術の開発を進めています。この取り組みは、従来の手法では達成が難しかった大幅な省エネを目指しており、2023年7月の採択以降、インキュベーション研究開発を経て、実用化開発フェーズに突入しました。
自動車開発現場での成果
当社は、特に自動車の研究開発現場において約45%の省エネルギー効果を実現する見込みを立てています。この効果は、実際に自動車メーカーの研究開発現場を再現した「E-LAB」(滋賀県大津市)におけるシミュレーションに基づくもので、実証済みの内容です。加えて、新たに半導体産業のクリーンルームでも実験が行われ、ここでも約18%の省エネ効果が得られたことが報告されています。
未来の展望
堀場製作所は、もともと設定していた2040年度の省エネ効果を、9,800万Lから2億2,800万Lに引き上げるという新たな目標を掲げています。この目標は、さらなる電気自動車のバッテリー製造などの新しい分野への展開も含まれ、進化を遂げています。
堀場製作所では、エネルギー需要に基づいた自動制御システムを確立するために、アズビル株式会社と連携し、それを実現するための研究を続けていきます。このような取り組みは、企業間連携や産学官共同プロジェクトを通じた社会課題の解決に寄与することを目指しており、幅広い産業への応用を見据えています。
エネマネ技術の背景
エネルギー管理の手法は、オフィスや住宅でさまざまな省エネ対策が進む中、特に研究開発現場では適用が難しいとされてきました。これに対して、堀場製作所はその未開拓の領域に挑み、具体的には「設備稼働状況の見える化」「需要変動要因のパターン化」「設備の連携制御」といったアプローチから新たなエネルギーマネジメント技術を開発しています。
具体的な取り組み
具体的には、当社のテストオートメーションシステム「STARS Enterprise」にこれらの新技術を組み込むことで、より迅速な社会実装を目指しています。また、「エネルギー・環境」「バイオ・ヘルスケア」「先端材料・半導体」といった広範なフィールドをカバーするHORIBAグループの専門知識を活用し、さらなる産業適用を進めています。
まとめ
堀場製作所のエネルギーマネジメント技術は、今後の省エネルギーの推進役として、その実用化の進展が期待されています。多様な業種との連携や新たな市場への進出を通じて、カーボンニュートラル社会の実現に貢献していく考えです。この取り組みが将来的な省エネのスタンダードとなることを願っています。