有限会社ながぬまがCADDi導入で生産性向上
背景と課題
秋田県に本社を置く有限会社ながぬまは、航空機部品や半導体生産設備を手掛ける製造業者です。しかし、2015年までの同社は全ての指示書が手書きであったため、情報の管理が非効率で、経験や記憶に依存した製造体制が課題となっていました。このため、毎年約300件の社内不良品が発生し、品質のばらつきも顕著でした。この状況を打破するために、三代目の長沼彰氏はデジタルトランスフォーメーション(DX)への投資を急務と考えました。
CADDiの導入
キャディ株式会社が提供する製造業データプラットフォームCADDiを導入したことにより、情報の一元管理が実現。受注データの入力が自動化され、手作業による工数が大幅に削減されました。これにより、業務の効率は飛躍的に向上しました。さらに、CADDi上で図面と完成品の写真を関連付ける独自の運用を導入することで、未経験のスタッフでも瞬時に正確な情報にアクセスできる環境が整いました。
品質の標準化と不良件数の減少
この新しい体制により、品質のばらつきが抑えられ、年間300件に上る社内不良が大幅に減少しました。また、CADDiの導入によって、有限会社ながぬまは企業文化が進化し、経営者主導ではなく、現場のスタッフによる自主的な改善活動が促進されるようになりました。長沼氏は「結果で示す」姿勢を貫きながら、スタッフの成長とともに企業全体の競争力を高めつつあります。
今後の展望
長沼氏は「人が資本」との理念を掲げ、今後もスタッフが働きがいを感じられる環境作りに努める意向を示しています。CADDiによる生産性向上と業務効率化を基盤にし、技術者集団としての自負を高めながら、地域で一番平均年収の高い中小企業を目指すという目標も掲げています。
まとめ
有限会社ながぬまは、CADDiの導入によって製造業のデジタル変革を実現しました。AIデータプラットフォームを活用することで、品質課題を解決し、生産性を向上させた同社の取り組みは、今後も地域経済を牽引する存在となることが期待されます。