中古住宅と傾きリスク:購入前に知っておくべきこと
中古住宅の購入を考えている方にとって、年数が経った物件の安全性は常に気になるポイントです。特に、築20年以上の物件においては傾きリスクが急増していることが、最近の調査から明らかになっています。個人向け不動産コンサルティングを手がける「株式会社さくら事務所」は、2024年に実施した986件のホームインスペクションをもとに、築年数と傾きリスクの関連性についての分析結果を発表しました。ここでは、その調査結果をもとに、中古住宅購入時に注意すべき点について詳しく解説します。
傾きリスクの急増
調査によると、築20年頃を境に傾きリスクの高い物件が増加する傾向にあります。特に、「1000分の6以上の著しい傾き」や「不同沈下」の可能性がある物件の割合が増加しています。これは、中古住宅市場における成約平均築年数がちょうどこの年数帯に当たるため、特に注意が必要です。
不同沈下とは?
不同沈下とは、建物全体が一様に沈むことなく、部分的に不均一に沈む現象です。この現象が生じると、建物の構造バランスが崩れ、結果として傾きやひび割れといった重大な不具合を引き起こす恐れがあります。
傾きリスクの分岐点
傾きリスクの急増は、2000年に施行された建築基準法改正と密接に関連しています。この改正以前に建てられた住宅は、地盤調査や設計の基準が不十分であったため、構造的リスクを抱えていることが少なくありません。地盤に応じて設計と施工が標準化されたことで、傾きリスクを抑えることが可能となりました。
知っておくべき盲点
中古住宅の購入時には、傾きリスクを見落とすことが多いです。特に以下のような点に注意が必要です:
1.
内見では把握しづらい
傾きは目視で確認するのが困難であり、売主や仲介業者も気づいていない場合があります。入居後のリフォーム時に初めて発覚することもあります。
2.
インスペクション済みでも油断禁物
「インスペクション済み」と記載されていても、測定が限られた部屋で行われることが多く、全体像を把握できない場合があります。報告書の内容についても細心の注意を払うべきです。
3.
契約後は補償対象外
契約不適合責任の補償範囲は「雨漏り」「白蟻」「水漏れ」などに限られることが多く、傾きは補償対象から外れることが一般的です。これに留意することが大切です。
購入前の重点確認ポイント
中古一戸建てを購入する前に、住宅の状態を正しく見極めるためにはホームインスペクションが必須です。ただし、リスクを避けるためには以下のポイントに注意が必要です:
- - 中立的な第三者に診断を依頼すること
- - 「インスペクション済み」の表示を過信しないこと
- - 不安がある場合は再度インスペクションを検討すること
株式会社さくら事務所は、個人向け不動産コンサルティングのパイオニアとして、不動産に関するリスクを抑え、安全かつ安心な住宅購入をサポートしています。更に詳しいお話を聞きたい方は、ぜひご連絡ください。専門家が実例を交えながらお答えします。
さくら事務所について
「株式会社さくら事務所」は、人と不動産のより良い関係を目指し、豊かで美しい社会を次世代に手渡すことを理念にしている不動産コンサルティング企業です。1999年に設立され、これまで72,000組以上のお客様にサービスを提供してきました。第三者性を保ちながら、住宅診断や購入に関するアドバイスを行う「不動産の達人サービス」を提供し、多くのお客様から信頼を得ています。