中国スタートアップの最新トレンドと注目企業を深掘り

今、注目される中国スタートアップ企業

中国では毎週100～200社のスタートアップが新たな資金調達に成功し、技術やビジネスモデルを進化させています。今回は、2024年10月号の中国イノベーション情報から、特に注目すべき企業とその最新動向をご紹介します。

雷鳥創新（Rayneo）

2021年に設立されたRayneoは、TCL科技集団傘下でAR（拡張現実）メガネの開発に注力しています。最先端のAR製品を通じて消費者向けのエコシステムを構築しており、2024年9月には複数のベンチャーキャピタルから数億元の資金調達に成功しました。この資金はAIおよびAR技術の研究開発に活用され、製造拠点の増設にもつながります。

Rayneoは2023年に世界初の両眼フルカラーARメガネ「雷鳥X2」の量産を開始し、その後、光学エンジンの設計を全面的にアップグレードしました。新世代のARメガネ「雷鳥X3」では、約60gの軽量化、バッテリー寿命の50％向上、視認可能輝度の2倍以上の増強を実現しています。

深度原理（Deep Principle）

2024年2月に設立されたDeep Principleは、AIを駆使した化学材料の研究を行っています。AI、量子化学、ハイスループット実験技術を用いて、材料開発の効率化を目指しています。10月には高瓴創投からの資金調達に成功し、技術開発や人員の拡大、グローバルな連携を進めています。

同社の強みは、AIを基盤にした材料開発プロセスの最適化であり、重要な新材料や新反応の発見に力を入れています。主要なアルゴリズムモジュールは、化学実験を効率的に行うための様々な機能を備えています。

平方和（Sigma Squares Tech）

2018年に創業したSigma Squares Techは、データ分析とAI技術を用いて製造業向けの意思決定支援ソリューションを提供しています。最近、複数のベンチャーキャピタルからの資金調達に成功し、新たに江蘇省蘇州市に華東センターを設立しました。

同社の主力製品である「Insvis」は、透明材料や柔軟素材の欠陥を検出するための技術を基盤としており、製造や検査のプロセスを統合したスマート製造プラットフォームを提供しています。