Salvador Technologiesが日本での取り組みを強化
2025年9月3日、株式会社テリロジーが共催したセミナーにて、イスラエルのサイバーセキュリティベンダーSalvador Technologies社のCEO、Amit Hammer氏が来日し、その最新ソリューションと導入事例を発表しました。このセミナーでは、Salvador Technologiesが提供するOT環境向けのバックアップ・リカバリーソリューションについて詳しく紹介され、特にサイバーレジリエンスの重要性が強調されました。
OT環境における即時復旧の意義
Salvador Technologies社が特徴的なのは、OT環境からダウンタイムを排除し、システム復旧をわずか30秒で実現できる点です。例えば、生産ラインが止まった際には、企業にとって莫大な損失を生む可能性があるため、即時復旧の能力は極めて重要です。このソリューションは、特許取得済みのエアギャップ技術を活用しており、データを堅牢に保護しながらも、使用者にとっては扱いやすい設計がなされています。
既にFortune500企業や製造業、エネルギー会社、さらには港湾施設においても導入されており、その需要は急増しています。また、日本市場での活動も開始しており、テリロジー社と連携してパートナーシップを深めることで、より多くの企業にこのソリューションの提供を目指しています。
Amit Hammer CEOが語るサイバー攻撃の現状
セミナーではAmit Hammer氏が、工場やインフラを狙ったサイバー攻撃の増加についても言及しました。特にAIを使用した攻撃が巧妙化しており、OTネットワークが攻撃者にとって非常に魅力的な標的であることを示しています。実際、過去12ヶ月間で75%以上の産業組織が侵入を受け、OT環境を狙ったランサムウェアも90%近く増加しているとのことです。
具体的な事例としては、2021年のコロニアルパイプライン事件や、2023年の名古屋港での攻撃が挙げられ、いずれも業界全体に大きな影響を与えました。このように、事前の予防策だけでは不十分であり、重要なのは攻撃を受けた際の迅速な復旧能力です。Hammer氏は、「攻撃は『もし』ではなく『いつ』の問題であり、真のレジリエンスが求められます」と強調しました。
リカバリーの課題とSalvador Technologiesのアプローチ
Hammer氏は多くのOT環境が直面しているリカバリーの課題についても触れました。特に古いシステムを有する工場では、復旧に莫大な時間がかかることが多く、その間に多大な損失を被ることもあります。従来のITバックアップツールではサポートされない場合も多く、OT環境特有の困難な状況が存在します。そこで、Salvador Technologiesが開発したシステムは、新旧両方の環境での安定した機能を発揮し、短時間での復旧を可能にしています。
日本市場への期待と展望
「日本の製造業やインフラに対する需要は非常に高い」とHammer氏は語り、日本市場の重要性を強調しました。名古屋港でのランサムウェア攻撃は、多くの企業に業務の継続性を保証するソリューションの必要性を再認識させています。
Amit Hammer氏とテリロジー社の連携は、今後日本のサイバーレジリエンス戦略において大きな役割を果たすことが期待されています。リーチを広げ、製造業や重要なインフラの安全性を高めていくための取り組みが、これからの日本市場を支えることでしょう。