WPPメディア:AI時代のマーケティングの新しい形
WPP社が新たに立ち上げた「WPPメディア」は、広告業界に革命をもたらすべく、AIを語源にした完全統合型メディア企業として誕生しました。この発表は、2025年5月28日に英国内であったプレスリリースを基にしています。WPPはこの新ブランドにより、自社の位置づけを強化し、グローバルなマーケティングサービスの台頭を目指します。
統合型サービスに対するニーズの高まり
WPPメディアは、世界中に展開するWPPのメディア部門として、従来の「グループエム」から名称を変更しました。それに伴い、同社は毎年600億ドルを超える広告を管理し、世界中の広告主の75%以上と取引する力を持っています。WPPメディアは、主要なブランド・マインドシェ、ウェーブメイカー、エッセンスメディアコムを通じて、各クライアントの専任チームを編成し、WPPメディア共通のサービスとサポートを提供していく計画です。
革新的なAIツール「WPP Open」
「WPPメディア」は、同社のAI搭載のマーケティングシステム「WPP Open」を利用して、グローバルなネットワークとリソースを一元化し、シームレスに連携します。このプラットフォームには年間3億ポンドを投資しており、業界で最先端のプラットフォームが構築されることになります。それに加え、AI関連企業との提携が大きな後ろ盾となっています。
クライアントの包括的なメディア戦略を実現
WPPメディアの提供する統合型サービスによって、クライアントはメディア、データ、制作を一体化し、オウンド、アーンド、シェアード、ペイドメディア活動を包括的に管理できます。そのため、大規模なパーソナライゼーションを実現し、消費者との新しい関係性を構築することが可能になります。今後は、コネクテッドコマースと測定・分析によって、さらにサービスが強化される見通しです。
AI時代への人材育成に注力
WPPメディアは、これからのAI時代に備えたキャリアパスを用意するための人材開発への投資を強化します。従業員が新しいマーケティングとメディアの潮流を率いる能力を習得できるよう、様々な支援を行っていく意向です。
リーダーの声
WPPメディアのCEO、ブライアン・レスター氏は、消費者が広告に求める期待感と、それに応える企業のあり方を強調しています。彼は、消費者の期待はAIの時代においてさらに高まるとし、WPPメディアはそのニーズに応じられる企業であるとしています。
一方、WPPのCEO、マーク・リード氏も、「テクノロジーと人が融合するAI時代の中で、WPPは最強のマーケティングパートナーである」という確信を語り、統合型サービスの推進がいかに重要であるかを伝えました。WPPメディアへの移行は、顧客サービスの簡素化と新たな市場機会の拡大を図る戦略の一環です。
B2Bキャンペーンの開始
併せて、WPPはビジネスリーダーやシニアマーケティング担当者を対象にしたクロスチャネルB2Bキャンペーンも開始しました。このキャンペーンでは、WPPのAI技術、統合ソリューション、および「WPP Open」の先進的な機能が紹介されています。
未来志向の新しい到達地点として注目されるWPPメディア。これからどのように私たちのマーケティングの常識が変わっていくのか、その行く先に期待が寄せられています。