国際輸送での新たな挑戦
近年、物流業界が直面している深刻な人手不足。この問題を解決するための手段として、株式会社コメリ(新潟県 新潟市)と日本通運株式会社(東京都千代田区)が手を組みました。彼らは、自社の輸入業務にレンタルパレットを導入し、国際輸送での一貫パレチゼーションを実現しました。
一貫パレチゼーションとは?
一貫パレチゼーションは、物流の結節点で発生する手荷役作業を減少させることを目的として、企業間で標準規格のパレットを共有する取り組みです。この効率化により、長時間の作業からくる過重な肉体的負担を軽減し、環境にも配慮した輸送が可能になります。
取り組みの概要
コメリと日本通運は、2025年10月から国際間の一貫パレチゼーションをスタート。具体的な流れは以下の通りです:
1.
輸出準備:日本通運が中国拠点でJPRからレンタルパレットを供給。
2.
バンニング:パレットへの商品積み付けを行い、海上コンテナへの効率的な積み込みを実施。
3.
海上輸送:商品を海上で輸送。
4.
ドレージ:日本通運が輸入港からコメリ物流センターまでの陸送を担当。
5.
デバンニング:空になったパレットはJPRに返却されます。
この取り組みにより、年間約1,016時間の作業時間短縮効果が見込まれています。さらに、環境負荷の軽減としては、木製パレットの廃棄が年間約20,000枚削減でき、CO2排出量の削減にも寄与することが期待されています。
ビジネスの進化
コメリは、物流問題への対応を強化しつつ、国の方針に従った持続可能なビジネスモデルの構築に舵を切っています。コメリの執行役員は、「JPRパレットに切り替えた結果、木製ワンウェイパレットの廃棄がゼロになり、環境負荷の軽減を実現しました」とコメント。
日本通運の新潟支店長も、「お客様の課題解決に協力できたことを嬉しく思います。今後も持続可能な物流ソリューションを提供していきます」と述べています。
JPR(日本パレットレンタル)もこの流れに応え、国際間の輸送においてもレンタルパレットを活用することで、効率的な物流と環境保全の実現を目指しています。柔軟な対応と共に、物流の高度化を推進するこの取り組みは、今後の業界標準に大きな影響を与えることでしょう。
結論
コメリと日本通運の提携は、国際輸送の新たな可能性を提示しています。この取り組みは、物流業界の持続可能な発展に向けた重要な第一歩であり、他の企業にとっても参考となるモデルになるでしょう。今後の展開に期待が寄せられます。