千葉県が提供する新たな学びの場所
千葉県が新設した「放課後メタバースちば~こさぽんの家~」は、不登校の児童や生徒に向けた新しい支援プロジェクトです。このプロジェクトは、大日本印刷株式会社(DNP)とレノボ・ジャパン合同会社の協力により、3Dメタバース空間を利用したラーニングシステムとして展開されています。2025年11月25日から利用が開始されるこの空間は、社会とのつながりを促進し、子どもたちの居場所を広げることを目的としています。
不登校からの脱却を目指す
不登校の児童・生徒は、令和6年度の全国で353,970人にも上り、これは過去最高の数値です。こうした状況を受け、千葉県は「子どもと親のサポートセンター」を運営の基盤とし、安全で安心な居場所を提供することを目指しています。「ちば~こさぽんの家~」では、児童・生徒が孤立せず、相談や支援に結びつけるプラットフォームを提供します。
このメタバース空間には、オンライン支援員が配置され、子どもたちを温かく見守ります。信頼関係の醸成と円滑な人間関係を育むことが期待されており、社会的自立に向けた多様な教育機会も提供されます。
特徴的な学びの場
「ちば~こさぽんの家~」は、不登校の子どもたちにとっての「第3の居場所」として設計されています。従来の教室とは異なり、屋外をイメージしたイベント広場が新たに開設され、探究学習に適した環境が整っています。また、千葉県のサポートセンターのマスコットキャラクター「こさぽん」がアバターとして児童・生徒との象徴的なコミュニケーションを図る姿も見られます。
この事業は、千葉県教育委員会から業務委託された株式会社JMCが中心となり、専門家やパートナーと連携を取ることで進められています。
探究する学びのサポート
メタバース空間での不登校支援に関しては、「子どもたちの社会性や自主性を育むための場として効果的」との声も多く寄せられています。メタバース内には、探究的な学びをサポートするための広場や機能が充実しており、地域の自治体にとっても期待が寄せられているプロジェクトです。
DNPは、教育プロジェクトにおいて探究学習、金融教育、キャリア教育を積極的に推進し、中学校の部活動や教科授業以外の学びの場を提供しています。「学びたい」と思える場所としてのメタバースが各地で拡大し、子どもたちの「好き」や「得意」を伸ばす支援が強化されています。DNPは今後、全国の教育現場や自治体と協力し、さらなる取り組みを進めていく予定です。
教育事業の背景と未来展望
DNPは1876年に創業し、印刷業界をリードする企業として教育分野にも力を入れています。「教え方改革」「学び方改革」を進める自治体を支援し、デジタル教科書配信基盤の運営や各種教育データの活用支援も行っています。教育現場でのBPO(Business Process Outsourcing)でも、多くの成功事例を持つDNPは、今後もメタバース教育プロジェクトを軸に教育サービスの進化を目指していきます。
「放課後メタバースちば~こさぽんの家~」は、千葉県の子どもたちに新たな学びの機会を提供し、社会との接点を築くための重要なステップとなるでしょう。教育の未来を考え、子どもたちが自分らしく生きる力を身につけられる環境作りを追求していく姿勢が、今非常に重要です。