パナソニック、IAUD国際デザイン賞2024で大賞受賞の理由とは

パナソニックがIAUD国際デザイン賞2024で大賞受賞

2025年2月28日、一般財団法人国際ユニヴァーサルデザイン協議会（IAUD）による「IAUD国際デザイン賞2024」の結果が発表され、パナソニックグループが「インクルーシブデザイン」の取り組みで大賞を受賞しました。この受賞は、ユニバーサルデザイン（UD）の理念を具現化する際の先進的な実践が評価されたことによるものです。

IAUD国際デザイン賞とは？

IAUD国際デザイン賞は、ユニバーサルデザインの普及と実現を目的としており、民族、人種、性別、年齢、能力などの違いを超えてすべての人々が快適に生活できる社会を目指しています。特に、この賞は実践的な活動を通じて顕著な功績を上げた団体や個人を讃えるものです。

パナソニックはその理念に基づき、身体的、精神的、社会的課題にも配慮した新たな「やさしさ」を創造することを目指しています。この取り組みは、多様な人々との共創を重視しており、多様性を尊重するインクルーシブな社会を実現するために確固たる意志を表明しています。

パナソニックのインクルーシブデザインの取り組み

パナソニックは、新たな「やさしさ」を生み出すための手法として、以下のポイントを重視しています。

1. 身体的課題だけではなく、精神的及び社会的課題にも対応

パナソニックは、障害者を含む多様な人々との対話を通じ、インクルーシブデザインを共に創造しています。これによって、独自の見解や考えを持つ多様な視点を取り入れています。

2. ツール開発による普及活動

「ペルソナスペクトラムツール」などのツールを開発し、社内外での活用を進めています。これにより、インクルーシブデザインの理解を深め、多くの仲間を巻き込む努力をしています。このツールは様々な制約を持つユーザーの視点を可視化し、開発者がその必要性を理解しやすくするためのものです。

3. 多様なユーザー参与のワークショップ

視覚障害者や聴覚障害者、車いすユーザーなど、多様な背景を持つユーザーが参加するワークショップを実施しています。これにより、参加者は多様なニーズを直接体験し、理解を深めることができました。

4. 社員の共感を促す取り組み

パナソニックのインクルーシブデザインの理念を社内に普及させるため、社内セミナーや研修を行い、共感者および実践者を拡大しています。これらの施策は、日々の業務においても活かされているのです。

未来へのビジョン

1908年に設立されたパナソニックグループは、常に「人にやさしいモノづくり」の理念を大切にしてきました。今後もこの精神を進化させ、すべての人が幸せを感じられる未来を目指して活動を続けていくことが期待されます。実際に、社員一人ひとりの意見を尊重し、新たな解決策を開発することが、この会社のインクルーシブデザインの核心です。

このように、多様な視点を取り入れつつ、「あたらしいやさしさ」を追求することで、パナソニックは人間中心の設計をこれからも追及し続けることでしょう。今後もその活動から目が離せません。