日本初のセキュリティ企業投資ファンド「NCSF」の設立
2023年7月29日、東京都千代田区にて行われた記者会見で、日本初のセキュリティ企業に特化した投資ファンド「日本サイバーセキュリティファンド1号投資事業有限責任組合」(以下、「NCSF」)が設立され、13社の出資が発表されました。このファンドは日本全国のサイバー攻撃に対抗するため、日本のセキュリティ業界全体の活性化を目的としています。
NCSFは、ウエルインベストメント株式会社を無限責任組合員に据え、兼松株式会社、兼松エレクトロニクス株式会社、グローバルセキュリティエキスパート株式会社の4社が発起企業として設立されました。今後、出資企業はそれぞれの知見や資源を持ち寄り、投資先企業の成長を支援する取り組みが期待されています。
参加企業とその役割
新たにLimited Partner(L.P.)として参画するセキュリティ企業13社は、出資にとどまらず、投資先企業の選定、経営アドバイス、販路提供、マーケティング支援、さらにはIPO支援に至るまで、多岐にわたる支援を行います。これにより、投資先企業の成長を加速させ、日本社会が抱えるセキュリティへの課題を共に解決していくことを目指します。
会見には16社の経営トップが出席し、激化するサイバー攻撃から日本を守るという強い決意が表明されました。各社が協力して情報を共有し、連携を深めていく姿勢が見受けられました。
NCSFの今後の活動
NCSFでは、定期的な情報交換を行い、各社の成長に寄与する活動を模索していきます。また、出資企業で構成される「アドバイザリーボード」を設置し、投資先の選定プロセスや支援方法について回り、より効果的に投資先企業を育成していく方針です。
投資が行われた後も、「アドバイザリーボード」やL.P.企業、投資先企業が連携し続け、各企業の成長を多角的にサポートしていくことで、持続的な発展を図ることが狙いです。
さらに、2024年秋には金融機関などの機関投資家向けのNCSF参画募集を行う予定であり、今後の展開にも注目が集まっています。
日本のサイバーセキュリティに対するニーズは高まる一方で、これに対抗するための体制が整いつつあります。今後、NCSFがどのような成果を上げていくのか、セキュリティの未来に期待が寄せられています。