松屋フーズHDにおけるRoboRoboコンプライアンスチェックの実証
松屋フーズホールディングス(以下、松屋フーズHD)は、さまざまな飲食ブランドを展開する企業であり、その運営において多くの取引先と関わっています。特に、仕入れ先や下請け業者、廃棄物処理業者との取引においては、コンプライアンスチェックが重要な役割を果たします。しかし、企業の社会的責任が厳しく問われる昨今、取引先の問題が自社の評判に直結してしまうことも多く、既存のコンプライアンスチェック方式では対応しきれない課題が浮上していました。
導入背景
松屋フーズHDは2023年中頃に、全社でのコンプライアンスチェック体制を見直すことを決定します。以前は各部署が独自にチェックを行っていたため、対応方法がバラつき、全社的な実施状況が不透明でした。さらに、チェック担当者の判断基準も異なるため、チェックの品質にばらつきが見られるなど多くの課題がありました。こうした問題を解消するため、松屋フーズHDは新たなコンプライアンスチェックツールを探し始め、その中で選ばれたのがオープン株式会社の提供する「RoboRoboコンプライアンスチェック」でした。
RoboRoboの選定理由
松屋フーズHDがRoboRoboを選んだのは、利用実績が豊富であること、操作性の使いやすさ、そしてコストパフォーマンスのバランスを考慮したからです。特に、直感的なユーザーインターフェースは、多くの部署からの利用をスムーズに進めるための大きな要因となりました。
導入効果
2024年1月1日から新たな運用が開始されると、多くの改善効果が現れました。以下に松屋フーズHDが実感した主な成果を紹介します。
1. 作業時間の大幅削減
チェックにかかる時間が5~6分から1~2分に短縮され、月平均で87時間の業務時間削減効果が確認されています。この結果、スタッフは本来の業務により多くの時間を割くことができるようになりました。
2. コンプライアンスチェックの「見える化」
これまでの各部署ごとのチェック状況が不透明だったが、総務部での一元管理により、「いつ、どの取引先をチェックしたか」が明確になりました。また、チェック結果をExcelやCSV形式で出力できるため、監査時の問い合わせに迅速に対応することが可能になり、業務の透明性が向上しました。
3. 品質の均一化
RoboRoboはリスクレベルを高・中・低の3段階で分けることで、担当者による判断の差を無くし、一定の基準でコンプライアンスチェックを実施することを実現しました。これにより不安定だった判断が安定し、信頼性が向上しています。
4. スタッフの精神的負担軽減
コンプライアンスに関わる判断は重責を伴うため、各部署の担当者にとっては大きなストレスがかかる仕事でしたが、現在は最小限の情報を伝えるだけで総務部に対応を任せられるため、現場スタッフは「本来の業務に集中できる」との声が上がっています。
今後の展望
総務部は、各部署からの依頼を既存の電子稟議システムで管理し、RoboRoboでチェックを行っています。この作業工程を自動化することで、スタッフの精神的負担を軽減しつつ、重要業務にさらなるリソースを割くことができるようになります。これにより法務相談や契約書の確認作業などの他の重要業務に対しても、時間を十分に確保できるようになるでしょう。
松屋フーズHDの事例は、最新の技術を利用して業務効率化を図ることができることの好例であり、今後の企業におけるコンプライアンス管理においても、多くの示唆を与えるものと言えるでしょう。