個人投資家の市場予測と投資行動の変化を読み解く2025年調査結果

マネックス証券2025年個人投資家サーベイの概要

2025年6月、マネックス証券が実施した個人投資家サーベイの結果が発表されました。この調査は2025年の株式市場の相場観、NISAの利用状況、マーケット変動の影響、及びアクティビストの認知度等、多岐にわたる内容が含まれています。回答は1,007件を有し、個人投資家の生の声を反映しています。

1. 相場観と株価予測

調査の第一部では、2025年の日経平均株価およびダウ平均株価に関する予測が焦点となりました。日経平均株価の高値予想は「40,500円未満」が61.1%と多数を占め、一方安値予想は「30,500円以上」が49.3%でした。これにより、投資家たちは下落を警戒しつつも、一定の上昇を期待している様子が伺えます。

ダウ平均株価に関しても同様の傾向が見られ、「45,500ドル未満」の予測が38.4%と最多でした。安値予想の「36,000ドル以上」も34.4%と多く、安定した市場を望む声が強いようです。

2. マーケット急落の影響

2025年4月に発生したマーケット急落についても、個人投資家の心情や行動に関する調査が行われました。急落を受け「チャンスだと思った」という反応が4割を超え、投資を続ける姿勢が伺えます。また、保有銘柄や資産を動かさず回復を待つとの回答も多く見られました。この結果から、個人投資家は冷静な判断力を保ちつつ、長期的な視野を持っていることがわかります。

3. 物価上昇の影響

物価が上昇する中での投資行動についての調査も行われ、投資金額や資産の変化は「変化はない」との回答が圧倒的でした。家計支出では「食費の割合が増えた」が最多で、持ち株を増やす動きは少ないと言えます。しかし、家計への影響を考えた上で積極的に投資を続ける姿勢も垣間見えました。

4. アクティビストの認知度

マネックス証券の松本氏が関与する「マネックス・アクティビスト・ファンド」の運用状況も考慮して、アクティビストの認知度について調査されました。「概要は知っている」が39.3%と最多であり、提言に対するイメージは以前のネガティブな印象から改善傾向にあることが見てとれます。

5. NISAの利用状況

新しいNISA制度が2024年にスタートし、多くの投資家がこれを利用し始めました。調査によると、92%以上の方がNISA口座を開設しており、その内の多くが成長投資枠とつみたて投資枠を掛け合わせて活用しています。成長投資枠での投資金額は「10万円以上100万円未満」が最も多く見られ、着実な投資を行っていることが分かります。

6. 今後の市場見通し

調査の最後には、日本、米国、中国の株式市場に対する見通しについても意見が集められました。どの国の市場においても投資家の見通しは改善し、今後の期待感が高まっています。日本株のDIは+34ポイント増加し、米国と中国もそれぞれ好転の兆しを見せています。

7. 為替相場の見通し

為替市場についても調査が行われ、今後の米ドル／円相場に対する見通しが示されました。「円高になると思う」は47%に減少し、円安の動きに対する見方が強まっています。

このように、2025年のクリティカルな個人投資家サーベイ結果は、投資家の冷静な判断力と今後の市場期待を反映しており、興味深いデータが集まっています。金融市場の動向に目を配りながら、自らの投資活動を見直す良い機会ではないでしょうか。