宇宙への新たな挑戦
北海道大樹町に位置するSPACE COTAN株式会社が、宇宙・防衛分野で注目される企業Firefly Aerospaceと基本合意書(MOU)を締結しました。この合意により、Fireflyが開発するロケット「Alpha」をHOSPO(北海道スペースポート)から打ち上げるための実現性検討が進められます。
SPACE COTANのビジョン
SPACE COTANの代表取締役社長兼CEOである小田切義憲氏は、「HOSPOは多様なロケットの高頻度打上げを目指しており、Firefly社のロケットの打上げ実現に向けたMOUを結ぶことができ、大変嬉しく思います。」と述べています。北海道大樹町は地理的にロケット打上げに最適な条件を持ち、宇宙産業の発展と地域活性化に寄与することを目指しています。
MOUの具体的な内容
このMOUに基づき、SPACE COTANは射場運用のコンセプトを定義し、射場システムに必要な要求の検討を行います。また、Alphaを打上げるためのライセンスや規制要件の評価も実施される予定です。これにより、HOSPOは安全かつスムーズな打上げを実現する基盤を整備します。
HOSPOの地理的優位性
北海道大樹町にあるHOSPOは、商業宇宙港として東および南に広がる海域や拡張性の高い広大な陸地を有しています。現在、弾道飛行用の「Launch Complex 0(LC0)」が運用されていますが、今後は新たな軌道投入ロケット用の「Launch Complex 1(LC1)」の整備も進められるとのことです。
Firefly Aerospaceの目標
Fireflyの打上げ担当副社長、アダム・オークス氏は、「日本からAlphaを打ち上げる機会を楽しみにしています。これによりアジア全体の衛星産業に貢献できるだけでなく、米国の同盟国のレジリエンスも高まるでしょう。」と期待を寄せています。Alphaは1,000kg超のペイロードを低軌道に投入できる能力を持ち、カリフォルニア州のヴァンデンバーグ宇宙軍基地やバージニア州のワロップス飛行施設でも打ち上げ場所の構築が進んでいます。
未来に向けた期待
SPACE COTANとFirefly AerospaceのMOU締結は、日本の宇宙産業が国際的な舞台での地位を確立するための大きな一歩と言えるでしょう。双方の技術とノウハウを結集することで、高頻度の打上げとともに地域経済の活性化も期待されます。今後の進展から目が離せません。
SPACE COTAN株式会社の概要
代表者:小田切 義憲(おだぎり よしのり)
所在地:北海道広尾郡大樹町西本通98
* 事業概要:SPACE COTANはHOSPOの運営を行い、日本政府の宇宙戦略基金を受けて、高頻度の打ち上げを実現するための研究開発を進めています。40年以上にわたって宇宙産業を誘致している大樹町は、地理的に世界水準の宇宙港に最適な場所と評されています。
SPACE COTAN公式ウェブサイト