ソフトバンクとTOPPANホールディングスが共同開発した翼用膜材
ソフトバンク株式会社とTOPPANホールディングスは、成層圏通信プラットフォーム(HAPS)向けの超軽量で高耐久性を持つ翼用膜材の開発を発表しました。この新しい膜材は、成層圏における過酷な環境に耐えうる性能を持ち、2029年以降に予定される商用サービスでの活用が見込まれています。
HAPSとは?
HAPSは「空飛ぶ基地局」とも呼ばれ、無人航空機が成層圏に滞空しながら通信サービスを提供する極めて先進的な技術です。この技術により、大規模災害時の通信復旧や、既存の電波が届きづらい地域へのサービス提供が期待されています。HAPSは約20kmの高度から通信を行うため、地上の通信基地局よりもはるかに広範なカバーエリアを誇ります。また、衛星通信と比較しても、高速かつ大容量で低遅延の通信を実現する特長があります。
開発の背景
しかし、成層圏は強い紫外線や高濃度オゾン、極低温といった極限環境にさらされています。これまで使用されていた従来の膜材では、強度が低下するという重大な課題がありました。この問題に対処するために、ソフトバンクとTOPPANホールディングスは、軽量かつ高耐久性の翼用膜材を共同で開発しました。
開発された膜材の特長
新しく開発された翼用膜材は、以下のような特長を備えています:
1.
高耐衝撃性と軽量化の実現
TOPPANホールディングスが長年培ったコンバーティング技術を活用し、寒冷環境下でも衝撃に強い特殊樹脂を使用しました。これにより、膜材は従来のフィルムに比べて軽量でありながら、高い安全性を確保しています。
2.
成層圏環境に対応した耐久性
ソフトバンクが提供したHAPS運用データを基に、TOPPANが高耐久性を追求しました。膜材は、極端な温度変化や過酷な紫外線・オゾンに耐えうる設計となっています。
3.
信頼性のある評価手法の構築
TOPPANホールディングスは、成層圏環境を再現する評価手法を確立し、膜材の劣化メカニズムを事前に把握できるようになりました。これにより、信頼性の高い評価が可能となりました。
今後の展望
アプローチした技術の革新を通じて、両社は2027年度までに膜材の軽量化と強度の向上を目指して研究を進め、2028年度までには安定した品質と供給体制を整える量産技術を確立することを目指しています。これにより、将来的には他の分野にも応用されることが期待されます。
これからのHAPSの発展に注目が集まる中、ソフトバンクとTOPPANホールディングスの共同開発は、技術革新の象徴となるでしょう。