おせちに見る食文化
2010-12-14 14:10:24
おせち料理にみる地域の食文化と意識調査結果
おせち料理にみる地域の食文化と意識調査結果
全国農業協同組合中央会(JA全中)が行った調査によって、2010年の食材とおせち料理に関する消費者の意見が浮き彫りになりました。この調査は、20代から60代の男女1,000人を対象に、経済や食に対する意識を探るものです。特に注目すべきは、おせち料理に対する予算や手作りの比率が地域によって異なる点です。
2010年を象徴する食材とは
調査の結果、2010年を象徴する食材として最も多く挙げられたのは「牛・牛肉」で、16.2%の支持を受けました。この結果には、牛肉業界が直面した口蹄疫問題が影響していると言えます。2位は「米」で、14.6%の支持があり、理由としては「戸別所得補償制度が開始されたから」という意見が目立ちました。3位には「もやし」が挙げられ、その理由は野菜価格の高騰と安定供給の観点が考慮された結果のようです。
日本が必要とする社会
調査では、これからの日本に必要な要素として「安全な食料がいつでも入手できる社会」が79%の支持を集めました。このことからも、食の安全に対する不安感が数多くの人々の間で共有されていることがわかります。
おせち料理の地域差
おせち料理について興味深いのは、関東と関西での手作り率と予算に差があることです。関西ではおせちを自宅で手作りする率が45.8%で、関東の37.1%よりも高く、平均予算でも関西が11,759円に対し、関東は9,307円で、約2,452円の差があります。これは、関西の家庭がより高級志向を持ち、手作りする文化が根付いていることを示しています。
おせちの準備内容
驚くべきことに、おせち料理の準備期間は1〜2日が主流で、7割近くの家庭が短期間で準備をしていることがわかりました。なかなか手間がかかる印象を持たれがちなおせちですが、実際には気軽に楽しむことができるのです。このような現実を知ることで、おせち料理への理解や関心が深まるかもしれません。
若い世代の傾向
最近の調査から、若い世代ほどおせちを手作りすることが少なく、約7割が家で作らないという結果も出ました。これは、時代の変化を反映し、現代のライフスタイルが影響を与えているとも考えられます。お正月を過ごす先でのおせちの準備が進む中、より多くの人が家ではなく購入へと移行しているようです。
まとめ
JA全中の調査結果からは、地域ごとの食文化や、今後求められる社会のあり方が見えてきます。食材選びから始まる食文化の多様性は、日本全体の農業や消費者の意識に影響を与え、未来の食生活に大きな意味を持つことでしょう。この結果をもとに、これからの日本の食のあり方について更に考えていきたいものです。
会社情報
- 会社名
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全国農業協同組合中央会
- 住所
- 東京都千代田区大手町1-3-1JAビル
- 電話番号
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