第62回JAA広告賞 消費者が選んだ広告の受賞結果
最近、公益社団法人日本アドバタイザーズ協会(JAA)は、第62回JAA広告賞の結果を発表しました。この賞は消費者が「心に響いた」と感じる広告を選出するものであり、これにより企業や広告制作者がどのようにユーザーに響くコンテンツを作るかが試されます。
受賞者とグランプリの発表
この大会では、全6部門から受賞作品が輩出され、各部門において高い評価を得た広告が選ばれました。
- - JAA賞グランプリ受賞企業 には、味の素、ロート製薬、北海道漁業協同組合連合会、キリンビール、岩手日報社が選ばれました。
- - 特に注目されたのは、味の素が2つの部門で受賞したことです。その一つはプリント広告部門で、最も美しいビジュアルを持つ広告で、家族の団らんをテーマにしたものでした。この広告は、視覚的に訴えかけるだけでなく、今の時代に必要な「食事を共にすることの大切さ」を強調しています。
各部門のグランプリ作品
1.
プリント広告部門 には、味の素の「団ランランタン」が輝きました。
- 美しいビジュアルと共感を呼ぶ文言が高評価で、スマホを使わない会話の提案が新しい広告手法として評価されています。
2.
オーディオ広告部門 でも味の素が「食のファビング問題」に関連するCMで受賞。
- リスナーの共感を引き出し、食事の重要性を再認識させる内容が評価されました。
3.
OOH広告部門 では、ロート製薬が「目の愛護ショー」により受賞。
- ドローンを使用した斬新な広告演出が話題を呼び、お客様に感動を与えました。
4.
フィルム広告部門では、北海道漁業協同組合連合会による短編フィルムが受賞。
- 食材の美しさとユーモアを交えた魅力的な内容で、見た人の記憶に残ります。
5.
長編フィルム部門では、岩手日報社の作品が注目され、自らの過去を振り返らせる内容によって評価を得ました。
消費者の視点を反映した審査
審査は114名の一般消費者によって行われ、彼らの目から見た「感性」「理性」「創造性」が評価基準として設けられました。このように、消費者自身が審査員として参加することで、実際の生活や感情に根ざした広告が選ばれることが特徴です。
今回の賞で際立ったテーマ
芳賀康浩審査員長によると、今年の受賞作品には社会的な課題(環境問題やフードロス、格差)をテーマにしたものが目立ちました。これにより、企業の社会的責任が一層問われる時代に突入していることが感じられます。さらに、家族や仲間との絆を描いた広告が多かったことも印象的です。
企業と消費者が共鳴する広告のあり方が見えてくる今回のコンクール。広告業界は新しい価値観をもとに進化し続け、より一層消費者に寄り添ったメッセージを届けられることが求められています。やがて消費者が「必要」と感じる広告こそが、これからの広告シーンを彩ることになるでしょう。
JAA広告賞の意義
このようにJAA広告賞は、消費者の視点から見た広告の評価を促進し、実際の広告制作に対する意見を具現化しています。広告の多様性が求められる現代において、どのようにして消費者の心に響くメッセージを届けるかが、企業の活動において重要です。
公益社団法人日本アドバタイザーズ協会は、これからも広告の健全な発展に寄与することを目指しており、次回のコンペティションに向けた期待も高まります。消費者にとって、共感できる広告を求める姿勢は今後ますます重要になっていくことでしょう。