非正規雇用市場における採用・求職動向レポート
株式会社マイナビが2024年5月から6月にかけて発表した「非正規雇用市場における採用・求職動向レポート」では、非正規雇用の求人や求職の現状が詳細に分析されています。このレポートによると、現在の非正規雇用市場は売り手市場が続いており、企業からの求人ニーズが個人の求職ニーズを8.2ポイント上回っていることがわかります。これにより、求職者にとっては多くの選択肢がある一方、企業の採用活動は難航している状況が懸念されています。
求人ニーズが求職ニーズを上回る
2024年度5-6月のデータによると、非正規雇用を行う企業の求人ニーズは25.4%に達し、前年に比べてわずかに増加しています。一方、そうした仕事を探す個人の割合は17.2%で、過去年と比較してもほぼ変わりのない数字です。これを見ると、企業は積極的に求人を出しているものの、求職者の増加に繋がっていないことが明らかです。
最低賃金改定への企業の意見
次に、最低賃金の改定に関する企業の意見も興味深い結果を示しています。具体的には、全体の22.4%にあたる企業が「最低賃金は引き上げるべきではない」と答えています。特にサービス業では35%が賃金引き上げに対してネガティブな見解を示していることから、業界ごとの影響が浮き彫りになっています。賃金引き上げが行われる際の企業の対応策としては「正社員と非正規社員の労働時間短縮」が重要な選択肢として挙げられています。
スポットワークに対するニーズ
調査では、約3人に1人が現在スポットワークを探しており、今後さらにスポットワークを探したいと答えたのは51.8%に達しています。時間の融通が効くことから、多くの世代において需要が高まっています。企業にとっても、スポット的に必要な人材を確保する手段として期待されています。
入社後研修の重要性
また、73.2%が入社後の研修を「丁寧に行ってほしい」と答えていますが、実際の研修内容と期待にはギャップがあるようです。企業は主に口頭での指導を行っているものの、求職者はマニュアルを重視していることが明らかになっています。このギャップを埋めることが、今後の人材育成において重要になるでしょう。
まとめ
このレポートからは、企業が採用戦略を見直し、早期の人材確保に向けた取り組みを強化する必要があることが浮かび上がります。特に、労働力としての非正規雇用の重要性が高まる中で、企業が求職者のニーズに即した労働環境を整えることが求められます。今後の非正規雇用市場の動向に注目です。