ナノフロンティアが新たに研究開発拠点を設立
NanoFrontier株式会社が、2025年10月に本社を宮城県仙台市の東北大学産学連携先端材料研究開発センターに移転することを発表しました。この移転は、同社の研究自動化パイプラインを活用し、ナノ粒子化技術を中心に製品開発や社会実装を加速する目的があります。
移転の意義
新しい拠点では、研究、試作、評価、事業連携をシームレスに推進できる環境が整備されます。特に、大学との連携強化が期待され、リアルタイムでの実証試験が可能になることで、これまでの研究をより迅速に市場へとつなげることができます。
自身の研究ラボの新設も計画されており、特に「再沈殿法」を用いたナノ粒子の精密設計に力を入れていきます。この技術により、数十ナノメートルスケールでの粒径制御や分散安定化が図られ、スケールアップ検討も進められます。
研究自動化パイプラインの導入
実験計画から合成、測定、データ解析までを統合した研究自動化パイプラインが本格稼働します。このシステムは学習サイクルを高速化し、開発の効率化に寄与します。これにより、探索効率が飛躍的に向上し、マイルストーン達成までの時間も短縮されることが期待されています。
今後の研究領域
NanoFrontierが進める今後の主な研究は次の通りです。
- - 水中微量汚染物質の検出: 難溶性有機色素をナノ粒子化し、高感度な水質センシングを実現します。
- - 次世代蓄電池: 有機ナノ粒子を用いた低コストで漏電抑制ができる電解質の開発。
- - 冷却液性能の向上: 高濃度でも粘度を抑え、熱輸送性能を高める新しい設計を目指します。
- - 水素キャリア: ナノ触媒を活用し、水素輸送における温度や反応時間の削減を目指します。
- - ドラッグデリバリー: 抗がん剤のナノ粒子化を通じて標的集積性の向上を図ります。
さらに、試薬開発や受託製造、コンサルティングなどに柔軟に対応し、カスタムソリューションとしての展開も進めています。
共同研究・パートナーシップの募集
NanoFrontierは、今後の研究開発においてパートナーを募集しています。特に環境センシングや次世代蓄電池開発に関心のある方は、ぜひお問い合わせください。取り組みについて詳細は中心のウェブサイトで確認できます。
東北大学産学連携先端材料研究開発センター
本センターは様々な研究機関が連携し、ナノからマクロスケールの材料研究の最前線であり、社会実装と国際競争力強化を目指しています。エレクトロニクスやエネルギー分野において産学官協力の重要な拠点と位置付けられています。
会社概要
- - 会社名: NanoFrontier株式会社
- - 代表者: 井上誠也
- - 所在地: 宮城県仙台市青葉区片平2-1-1 東北大学産学連携先端材料研究開発センター215号室
- - 設立: 2025年4月7日
- - 事業内容: 有機ナノ粒子化技術を用いた試薬や機能性材料の研究開発、製造および販売など
公式ウェブサイト:
NanoFrontier
プロジェクト情報は
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