おりものシートを用いた新しい検査手法がもたらす女性の健康への一歩
小林製薬株式会社とルナドクターHDが共同で進めた研究の成果が、2025年に開催された「日本性感染症学会 第38回学術大会」で発表されました。今回の研究では、日常的に使用される『おりものシート』を活用して、女性の健康を守るための新しいスクリーニング検査手法が提案されています。特に、細菌性腟症(BV)のスクリーニングに特化したこの検査方法は、自宅で手軽に行えるため、女性にとって非常に役立つ取り組みといえるでしょう。
研究の背景
本研究は、小林製薬とルナドクターHDの業務提携から始まりました。両社は、女性の健康を支える新たな試みを行っている中、特におりものに関する悩みを持つ女性たちが、医療機関に行くことに対して抵抗を感じている現状に着目しました。
調査によると、約30%の女性が、おりものの量や臭いなどに対する不安を抱えています。しかし、実際に婦人科を受診する女性はわずか20%にとどまります。また、自宅で腟スワブを用いた検査には抵抗を感じる女性が49%にも上ることが分かりました。これらのデータは、より身近で気軽にできる健康管理の方法を模索する必要性を示しています。
新しい検査方法の提案
研究では、まずニュージェントスコア法を応用し、これをおりものシートでの検体採取に適用することを考えました。この方法は、腟スワブを用いずにおりものシートから得られる検体で、細菌性腟症の有無をチェックするものです。臨床試験では、16名の被験者について、医師が採取したスワブ検体とシート検体の比較評価が行われました。
その結果、健常群およびBV群では約70%、中間群では約60%の一致率が確認されました。さらに、シートの採取日と郵送後の検体でも健常群では100%、中間群とBV群で約70%の一致率が記録され、大きな成果となりました。
菌叢解析の結果
また、研究では、スワブ検体とおりものシート検体の菌叢解析も行われました。この結果、おりものシートには着用時に付着した皮膚常在菌が検出されたものの、検査対象菌については両者で同様の傾向が確認されました。
期待される効果
これらの成果は、自宅での簡易なスクリーニング検査の実現に向けた重要なステップであるといえます。女性たちが、自宅で手軽に健康管理を行う手助けができるこの検査方法は、未病ケアの促進に寄与すると期待されています。今後は、この検査の精度向上や実用性の検証を進め、さらなる女性の健康支援を目指すことが望まれます。
結論
小林製薬とルナドクターHDの共同研究の成果は、単なる医療技術の進歩に留まらず、個々の女性が自分の健康を積極的にケアできる未来を切り開く可能性を秘めています。これにより、「自分の健康は自分で守る」という意識がより広がり、多くの女性が元気で健康な日常を送る手助けになることを願います。