勤労者意識調査
2014-05-08 21:00:01
勤労者の生活意識調査が浮き彫りにする社会の課題とは
勤労者の生活意識調査が浮き彫りにする社会の課題とは
全労済協会が調査を実施した結果、現代社会における勤労者の生活意識とその背景に迫る内容が明らかになりました。昨年10月、全国の一般勤労者を対象に行われたこの調査では、過去の調査(2011年度)を受けて、生活状況や社会保障制度についての意見が整理されています。
調査結果の概要
調査項目は主に「助け合い社会への意識」と「社会保障制度への満足度」に分かれました。このうち最も注目される結果は、年収による社会の意識構造です。調査によれば、「助け合い重視型」の社会を支持する回答者の割合は、実に61.4%に達しましたが、年収が低い層ほど「自助努力重視型」を支持する傾向が強かったのです。
特に、世帯年収が200万円未満の人々の中では、60.8%が「他人に迷惑をかけたくない」と答え、自身の困難に対して他者に助けを求めることを躊躇している様子が伺えます。この現象は、社会的孤立の問題とも関連し、今後の助け合いの仕組みを考える上で大きなヒントを与えてくれます。
社会保障制度に関する不満
更に、現行の社会保障制度への不満は、全体のおよそ7割が感じており、特に年金制度については多くの人々が支給開始年齢や支給水準の引き下げに否定的な意見を持っています。一方で、税負担や保険料の引き上げには一定の理解を示しているという、矛盾した心理が浮き彫りにされています。
このように、納税者としての責任を果たす意識はありつつも、現在のサービス水準が低下することを懸念する声が強いことが見受けられます。
収入による生活満足度の差
調査結果を見てみると、世帯年収によって「自分の生活」に対する満足度が大きく変わることが分かります。収入が200万円未満の層では「満足」「やや満足」と感じる人はわずか17.3%に過ぎませんが、1000万円を超える層ではその割合が56.9%に達し、生活の質に大きな隔たりが存在します。今後の生活に対する見通しもまた、年収が低い人ほど厳しい現実を感じているようです。
特に、年収200万円未満の人々は38.4%が「悪くなる」と回答していますが、1000万円以上の人々の間ではその割合は16.1%と、明らかな生活水準の違いが見てとれます。こうした格差は、仕事、家計、さらには人間関係や地域とのつながりなど、さまざまな面に影響を及ぼしています。
調査の詳細
この調査は、2013年10月にインターネットを通じて実施され、一般勤労者の30歳から59歳を対象に、合計15,331人に依頼した結果、4,680件の有効回答を得ました。調査は全労済協会の取り組みとして行われ、生活意識の実態を把握するための貴重なデータとして位置付けられています。
このように、全労済協会の調査結果は、日本社会における勤労者の意識を多面的に捉え、助け合い社会形成のための重要な課題を提起しています。今後、どのようにこれらの課題に対応していくのかが大きな焦点となるでしょう。
調査の詳細については、全労済協会のウェブサイトを訪れることでご確認いただけます。
会社情報
- 会社名
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一般財団法人全国勤労者福祉・共済振興協会
- 住所
- 東京都渋谷区代々木2-11-17ラウンドクロス新宿5階
- 電話番号
-
03-5333-5126