サントリーウエルネスが飛躍的成果を達成
2025年度の「日本農芸化学会大会」で、サントリーウエルネス株式会社の健康食品「ロコモア」が、栄誉ある「農芸化学技術賞」に輝きました。この受賞は、同社が進めてきたロコモティブシンドローム対策に関する開発研究の成果として評価されたものです。授賞式は2023年3月4日に北海道の札幌市での開催され、同社の取り組みが広く認められた瞬間でした。
「農芸化学技術賞」は1968年以来、農芸化学の分野において顕著な業績をあげた研究者に授与される信頼のおける賞であり、サントリーウエルネスの高齢化社会に対する真摯な姿勢と、30年以上にわたる運動器の健康に関する研究の歴史がこれを裏付けています。
受賞の背景と研究の意義
日本は急速に進行している高齢化社会の中にあり、要介護や要支援を必要とする人々の増加が課題となっています。特に、高齢者における身体的な衰弱や骨折、さらには関節の問題は、要介護の主な要因として全体の約3分の1にも上ると言われています。これに対処する研究を30年以上行ってきたサントリーウエルネスは、運動器の機能を維持するための製品を開発してきました。
「ロコモア」の研究は、膝関節の機能維持に加えて、筋機能全般に焦点を絞り、ポリフェノールであるケルセチンが筋機能に与える影響を調査しました。結果、ケルセチンが持久力を高めたり、加齢に伴う筋肉の変化を抑える効果があることが示されました。
研究の具体的な成果
この研究においては、次の重要な発見がありました。まず、MPS技術を使用した三次元ヒト骨格筋組織の培養により、ケルセチンが筋肉の持久力を向上させる可能性が確認されました。また、ヒト骨格筋由来間葉系前駆細胞での実験から、ケルセチンが加齢に伴って増える筋肉の線維化や脂肪化を抑える役割を果たすことも明らかになりました。
さらに中高齢者を対象にした研究では、ケルセチン配糖体と軽い運動の組み合わせが、膝を完全に曲げたときの大腿部の筋肉の硬さを低下させ、柔軟性を向上させることが確認されています。また、歩行機能が低下した中高齢者においては、一定の成分を組み合わせて摂取することで通常歩行の速度向上が見られました。
今後の展望
サントリーウエルネスは、今後も「ロコモア」をはじめ、運動器の機能維持に寄与する研究を進め、誰もが自分らしい生活を楽しむための支援を続けていく方針です。高齢者がより豊かに生きるための研究開発は、今後の社会においてますます重要な使命となるでしょう。
公益社団法人 日本農芸化学会
この栄誉ある賞を授与した日本農芸化学会は1924年に設立され、農芸化学の進歩を目的とした学術団体です。年に一度の全国大会では、多くの研究者や学生が集まり、農芸化学分野の最新の研究成果が発表されています。受賞を記念して、サントリーウエルネスの技術が今後も広がっていくことを期待しています。