新潟拠点のトキエアがインバウンド増加へ向けて新しい施策を導入
地域航空「トキエア株式会社」が、インタセクト・コミュニケーションズと協力し、新潟へのインバウンド観光客誘致を進めています。これにより、中国及び台湾市場などからの外国人利用率が飛躍的に向上しています。その背景や取り組みについて深掘りしていきます。
連携の背景・経緯
トキエアは2024年に運航を開始し、新潟と他の地域を結ぶ唯一の地域航空会社として、インバウンド観光客の誘致が重要であることを認識しています。特に、中国本土や台湾からの集客の可能性に注目しており、しかし従来のところ、海外の潜在顧客に知られていないという課題を抱えていました。そこで、インタセクト社との連携を経て、観光客の認知度を高めるさまざまな施策を実施することに決めました。
実施施策内容
2025年2月から以下のマーケティング施策を実施しています:
- - 中国SNS「RED」および「WeChat」の公式アカウントを開設し運用。
- - コンテンツ作成を行い、インフルエンサーによる乗客体験の記事を毎月発信する。
- - 実際の搭乗客のフィードバックを基にしたフォロー施策。
- - 若年層をターゲットにした継続的なコミュニケーションを展開。
これらの施策は、中国語圏の若者や旅行感度の高い層に対するアプローチを強化する結果となりました。
施策効果(Before/After)
施策の実施前(2025年1月)の時点では、外国人利用率は1%未満、実質的に外国人からの予約はほぼゼロでした。しかし、施策を実施した後は、毎日安定して5件前後の外国人予約が入るようになりました。特にキャンペーン時には、最大500件の予約が入る実績を記録しました。
この結果はアジア圏からの利用者が増加したことにより、SNS上での体験記や機体の写真投稿が増えたことにも大きく寄与しています。
利用顧客の特徴
インバウンド利用のお客様は、以下の2つのセグメントに分類されます:
1.
リピーター観光客:東京、京都、大阪などの主要都市への旅行経験が豊富で、地域の自然や文化体験に興味を持つ層。
2.
若年層:新潟空港の国際線を活用し、安価で日本の地域資源を体験したいと考える層。
新潟エリアの観光ポテンシャル
トキエアの担当者は、新潟に関して「四季が明確で、温泉、雪景色、海の幸、伝統文化など、インバウンド旅行者にとって魅力的な資源が揃った未訪問エリアだ」と評価し、訪日客にとって理想的な目的地であることを強調しています。特に、世界文化遺産である佐渡島を含む周遊型の旅行プランを提供し、地域創生に寄与することを目指しています。
今後の展開
インタセクト社は、引き続きSNS施策を強化し、中国市場での認知度を拡大していく方針です。また、中国ユーザー向けにWeChatミニプログラムやWebアプリを開発する計画もあり、新潟空港やその他の空港と連携した特別なインバウンドツアーを展開予定です。
トキエアのメッセージ
トキエアの代表者は、「地域航空としての役割は、ただの移動だけでなく、日本のローカルな魅力を世界に届けること」と述べ、中国を中心としたアジア圏の旅行者に、新潟の魅力とトキエアのサービスを体験してもらうため、さらなる挑戦を続けていく意向を示しています。
このように、トキエアとインタセクト社の連携は、単に観光客の数を増やすだけでなく、新潟の地域活性化にもつながる注目すべき取り組みです。