コロナ禍におけるシニアの生活様式変化を探る調査結果
2021年5月、シニア向け分譲マンションの入居者216名を対象とした調査が実施されました。この結果から、コロナ禍の影響で多くのシニアが生活様式を大きく変えていることがわかりました。
1. 買い物の回数と変化状況
調査によれば、日常の買い物回数は平均2.36回/週で、週に1回から3回訪れる人がそれぞれ約25%を占めています。しかし、コロナ禍以前と比べると、63%が「減った」と回答し、非常に大きな影響が見受けられます。外食の機会が減ったことが主な要因で、代わりに家庭内で必要な食材を調達する傾向が強まっていると考えられます。
2. 友人や家族との交流状況
友人とのお出かけについても、「減った」との回答が94%に達しました。これは、実際の交流が大幅に減少していることを示しています。一方で、メールやLINEのやりとりは69%が「増えた」と回答し、これらの通信手段が交流の代替機能を果たしています。ただし、電話での連絡は「増えた」と「減った」がほぼ同数で均衡している状況です。さらに、家族間でも同様の傾向が見られ、90%が外出が減少したと回答しています。
3. ネットショッピング・通信手段の利用
調査では、ネットショッピングを利用している人は47%で、特に「増えた」と回答したのは41%に上りました。これは、コロナをきっかけにネットでの買い物を始めた層が増えていることを示唆しています。また、通信手段としてはスマートフォンの所有率が76%あり、幅広い世代で利用されていることが分かります。
4. おうち時間の充実
食費については、コロナ前後で「増えた」と答えたのは23%でしたが、大きな変化は見られませんでした。一方、テレビ視聴や読書、運動といった家庭内で行う活動が増えており、特に読書が31%に達しています。このように、シニア世代は一人でも楽しめる活動に注力しているようです。
5. 高額な買い物の傾向
過去1年に購入した高額なアイテムについては、衣服が最も多く12件、続いてテレビ9件、車7件、冷蔵庫6件などがあります。高齢者世帯でも、おうち時間の充実に伴い一定の消費が見受けられています。
会社概要
この調査を実施したのは、シニア向け分譲マンションを運営する株式会社フージャース ケアデザインです。同社は、シニアのための新築マンション事業や管理・運営事業を手掛けています。
公式サイト:
フージャース ケアデザイン
まとめ
コロナ禍でのシニアの生活は、一見ネガティブな側面が多いように思えますが、一方で家庭内活動の増加やネットショッピングの普及など、新しいライフスタイルの芽生えも見受けられます。この結果は、今後のシニア向けサービスの在り方を考える上での重要な指針になるでしょう。