日本政府がキューバの水と衛生、母子保健に支援
【1】2025年、ハバナ発。日本政府は、キューバ東部のグアンタナモ、グランマ、サンティアゴ・デ・クーバといった地域において、水や衛生、母子保健のサービス向上のため、国連児童基金(UNICEF)に対し無償で1億4,700万円の資金協力を行うことを発表しました。このプロジェクトは、特に脆弱な立場にある子供や妊産婦に対する支援を目的としています。
【2】キューバは、自然災害が多発する地域であり、気候変動やハリケーン、洪水、そして干ばつなどが影響を及ぼしています。特に2024年には、前例のない洪水や地震、干ばつといった厳しい条件が続き、2025年にはハリケーン・メリッサによって大きな被害を受けました。これにより、子供や妊婦に対する健康サービスの必要性がますます高まっています。
【3】このプロジェクトは、24ヶ月間にわたり実施され、学校や保健センターを優先的に支援していくことが見込まれています。UNICEFキューバ事務所の副代表、サニー・グイドッティ氏は、「日本政府の支援は、キューバ東部の数万人に対し、安全な水と健康、教育環境を提供するものです」と評価しています。
【4】プロジェクトの主な柱は、まず「レジリエント・スクール・モデル」を導入し、脆弱なコミュニティの教育機関における水と衛生を強化します。具体的には、30の学校とコミュニティに対し、安心して利用できる水供給システムや衛生施設の整備が行われる予定です。この改善により、5,000人の子供や若者が適切な環境で教育を受けられるようになり、およそ14万5,000人がその恩恵を受ける見込みです。
【5】さらに、学校内では「スリー・スターズ」アプローチを採用します。これにより、学校菜園や雨水利用、救急箱、消火器といった設備が導入され、校内の安全性と環境意識が向上します。また、990人の教師が衛生習慣や水管理に関する研修を受け、知識を深めることが期待されます。
【6】第二の柱は、母子保健サービスの災害対応力の強化です。少なくとも5つの母子保健施設に診療に必要な機材を提供し、190人の医療従事者に対して専門的なケアに関するトレーニングが行われます。この取り組みによって、約4万7,882人の妊婦や新生児が安定した質の高い医療サービスを受けられることになります。
【7】日本政府とUNICEFが進めるこのプロジェクトは、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジの強化や地域保健の向上を通じて、今後の戦略的なパートナーシップを一層深めるものです。この支援は、気候変動や災害の影響を受ける子供や妊産婦が、必要なサービスにアクセスできることを目指しています。
【8】UNICEFは、全ての子供の権利と健やかな成長を支援する国際機関として、190以上の国や地域で活動を展開しています。特に困難な状況に置かれた子供たちのため、具体的な行動を起こし、支援しています。日本政府の支援を通じて、キューバの現状を改善するための努力が期待されています。
UNICEF東京事務所は日本政府との連携を強固にし、国連機関としての活動を推進しています。