三重県南伊勢町で始まる持続可能な真珠養殖事業の全貌

三重県南伊勢町で新たに始まる真珠養殖事業

株式会社WSPは、三重県南伊勢町において100%子会社のWSP Sustainable Labを通じて真珠の養殖事業を本格的にスタートしました。このプロジェクトは、地域の自然環境と知恵を活かしつつ、持続可能な産業としての真珠養殖の在り方を見直し、次世代へと繋げていくことを目指しています。

近年の海水温の上昇や生態系の変化は、真珠養殖業を含む水産業に多くの課題をもたらしています。特に、担い手不足や事業継承といった深刻な問題に対処するためには、従来の方法に依存せず、持続可能なモデルへと転換することが求められています。WSPはこのニーズに応え、南伊勢町で新しい事業を展開することになりました。

南伊勢町の特徴

南伊勢町は、豊かな自然環境と地域資源に恵まれた地域です。WSPはこの地を拠点に、地域との協力を重視した生産体制を構築しています。すでに2025年5月には南伊勢町の町長を表敬訪問し、地域との協働や事業展開に向けて意見交換が行われました。

主要な事業内容

WSPの真珠養殖事業では、以下の内容が主軸となります：

- 真珠の養殖: あおさのりなど地域の水産資源を活用し、環境に配慮した効率的な生産体制を確立することで、持続可能な養殖展開を進めます。
- 商品開発: 海藻などの未活用資源を使用して新たな価値を生み出し、化粧品や健康食品の開発を行います。地域特産品に新たな付加価値を与え、海と地域の可能性を広げていきます。
- 里海の再生: 藻場の再生活動を通じてブルーカーボンの創出に取り組み、環境教育や地域連携を強化し、脱炭素社会の実現に寄与します。
- 拠点整備: 地域との関わりを促進するための拠点を整備し、訪れる人たちが継続的に地域に関与できる仕組みを構築していきます。

WSPが描く未来

WSPグループは今まで、ジュエリー基準を満たさない「ネイチャーパール」の啓蒙活動を通じてアーティストや若年層との協働を進めてきました。真珠養殖事業のスタートは、会社の理念である“海と共に生きる”を具体的に実現するための第一歩です。

美しい海を未来へ守りつつ、地域と連携し、新たな挑戦を通じて真珠産業の希望と持続性を育んでいくことに全力を尽くしてまいります。

WSPについては、1991年に大阪で真珠の卸業として創業し、現在は真珠を用いたジュエリーや化粧品の製造・販売にまで事業を拡大しています。

WSP公式ウェブサイト

これからの真珠養殖事業が、地域の未来にどのような影響を与えるのか、今後の展開に注目です。