銀器の名工・坂巻
2025-03-25 10:20:19

伝統と現代が交差する、銀器の名工・坂巻製作所の魅力を探る

足立の銀器名工、坂巻製作所の物語



春の訪れと共に、あだち産業センターの1階で坂巻製作所の作品が展示されています。現代の匠、坂巻亨氏がその卓越した技術を駆使して作り出す銀器は、光り輝く美しさを誇ります。彼の作品はただの工芸品に留まらず、東京マイスターに認定され、誇り高き「足立ブランド」と呼ばれる技術の象徴でもあります。

足立ブランドと伝統工芸



千住緑町に位置する坂巻製作所は、歴史と共に歩んできた一軒家です。手入れの行き届いた庭の周りには、しっかりとした技術を支えるためのハードである銀器製作の道具が並びます。坂巻氏は、この道を18歳で歩み始め、79年もの時を経て、今もその技を磨き続けています。「私は2代目で、父の背中を見て育ちました。」と語る坂巻氏の言葉からは、代々受け継がれてきた技への愛情が伝わってきます。

坂巻氏が手がける銀器は、「東京銀器」として知られ、その鍛金技術は日本の伝統工芸品として全国に名を馳せています。銀の純度は92.5%以上という厳しい基準があり、その品質の高さは国の伝統的工芸品としての地位を確立しています。坂巻氏は、東京金銀器工業協同組合の常務理事も務め、この優れた技術を今に伝える重要な役割を担っています。

坂巻製作所の製品と魅力



坂巻氏の作品の中でも特に記憶に残るのは、宮内庁の銀食器制作です。新宮殿の落成晩餐会で使用される銀盆は、一枚の銀板を何度も叩き成形され、デザインに至るまで丹念に手作りされています。その工程の厳しさと美しさは、単なる工芸品を超えた芸術作品と言えるでしょう。

「銀盆の製作は繊細な技術が要求されます。火入れを繰り返しながら、模様を施し、仕上げ業務に至るまでどの工程も気が抜けません。」と語る坂巻氏。その言葉からは、彼の技術に対する誇りと情熱が伝わります。

坂巻氏は、優れた伝統工芸の魅力を広めるため、足立ブランドのイベントに積極的に参加しています。「お客様との交流を通じて、銀製品の素晴らしさを伝えることができる良い機会です。」と、彼は魅力を感じているようです。

日用品に息づく美しさ



坂巻製作所の心得は、伝統的な技術を活かしつつ、現代の生活にも寄り添うことでしょう。普段使いの銀器として、小さな「玉盃」や「おろし金」の制作も手がけています。これらの日用品は、美しさだけでなく機能性も追求しています。「玉盃は、特殊なデザインで光の反射を利用し、飲む楽しみを増す設計です。」と坂巻氏は説明します。銀のおろし金も、石目模様を施すことで美しさと実用性を兼ね備えています。

次代への技術継承



坂巻氏のもうひとつの情熱は、次世代への技術継承です。地域の学校での体験授業を通じて、子供たちに銀の魅力を伝えています。「自分の技を通して、子供たちに興味を持ってもらえるのが嬉しいです。」と語ります。

坂巻製作所での展示は、2025年4月以降も予定されており、足立区に訪れた際にはぜひ立ち寄ってみてください。坂巻亨氏の手がける銀器の美技に、触れてみることをお勧めします。彼の作品は、生活に彩りを添えるだけでなく、伝統技術の深さを感じさせてくれることでしょう。坂巻氏の新たな挑戦は、今後も目が離せない存在です。


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会社情報

会社名
足立ブランド
住所
東京都足立区中央本町一丁目17番1号足立区産業振興課
電話番号
03-3880-5869

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