金融機関向けKYCソリューションが業務効率化を実現
xID(クロスアイディ)株式会社が発表した金融機関向けのKYC(Know Your Customer)ソリューションは、対面および非対面の本人確認プロセスを統合し、業務の効率化を図る画期的なシステムです。このバックグラウンドにあるのは、2025年に行われる犯罪対策閣僚会議で、金融機関の対面手続きにおいてICチップを利用した確認が義務化される方針が確認され、業界全体でのKYCプロセスの高度化が求められていることです。
この新しいソリューションでは、マイナンバーカードや運転免許証、在留カードなどのICチップ情報を業務用スマートフォンで簡単に読み取ることができ、対面・非対面の両方のシナリオに適応可能な統合的なKYC基盤の構築を目指しています。
開発の背景
近年、金融機関における本人確認の重要性が増しており、2027年4月には犯収法(犯罪収益移転防止法)が改正され、本人確認が一層厳格化される見込みです。xIDはこの要請に対応するため、SocioFuture株式会社と協力し、次世代の本人確認環境の構築に全力を注いでいます。この取り組みによって、法令を確実に遵守しながら、業務の負担を軽減するためのソリューションが開発されています。
主な機能と特徴
1.
統合KYC基盤の構築
本ソリューションは、口座開設など特定の取引の際、対面・非対面を問わず、同じ本人確認基盤を使用することができます。これにより、KYCプロセスが一元化され、業務の効率化やガバナンスの強化が期待されます。
2.
柔軟な業務フローへの対応
既存のシステムに統合可能なAPIを用意し、変更不要で即日運用できるSaaS型の業務コンソールを提供します。このため、様々な業態に合わせてスムーズに導入することができます。
3.
業務用スマホでICチップ読取
利用者は自身のアプリをインストールする必要がなく、窓口スタッフのスマートフォンで直接ICチップを読み取ることができます。
4.
シンプルな店頭オペレーション
ICカードリーダーなどの外部機器が不要で、導入コストを大幅に削減。設置スペースや接続トラブルの問題も解消され、窓口業務がよりスムーズになります。
5.
書類確認の自動化
ICチップの情報を取得し、書類確認の正確性を向上させ、不正申込を防ぐ対策が整っています。
金融機関における導入のメリット
ICチップ読み取り要件に準拠し、今後の法改正にも対応したシステムです。
既存のスマホを活用することで、費用を抑えつつ全国の拠点に迅速に展開できる利点があります。
統一されたKYCプロセスにより、各支店や担当者間の品質のばらつきを無くすことができます。
手続きの簡素化と待ち時間の短縮により、利用者の負担を軽減します。
今後の展望
xIDは、これまでに自治体領域で培ったデジタルIDや本人確認技術を、金融機関を含む民間分野に拡張し続けます。今後は、対面・非対面を一体で扱えるKYC基盤ソリューションをさらに進化させ、法改正を見据えたKYCプロセスの質の向上に寄与していく方針です。また、オンライン業務との連携を強化することで、顧客体験のさらなる向上を目指し、銀行業務の効率化を図ります。
企業情報
xID(クロスアイディ)株式会社は、東京都千代田区に本社を構え、デジタルIDアプリやスマート行政手続きツールを提供するGovtechスタートアップです。顧客の利便性向上と業務効率化に貢献するため、自治体や企業と密に連携しています。
所在地:東京都千代田区内幸町2丁目1-6日比谷パークフロント19F
代表者:代表取締役CEO 日下 光
設立日:2012年5月
事業内容:マイナンバーカードに特化したデジタルIDソリューション
コーポレートサイト:
xid.inc