ダン・ブラウン新作『シークレット・オブ・シークレッツ』プラハ記者会見レポート
世界的に著名な作家、ダン・ブラウン氏の最新作『シークレット・オブ・シークレッツ』の刊行を祝う記者会見が、魅力的な街プラハで開催されました。この会見の様子を詳しくお伝えします。
記者会見の背景
会見はプラハ・クレメンティヌムのミラーチャペルで行われ、多くのメディア関係者が集まりました。ブラウン氏はプラハへの愛を語り、作品の基盤となる「人間の意識」というテーマについても熱く語りました。
プラハの魅力
冒頭でプラハ市長が登壇し、ブラウン氏に街の象徴である「プラハの鍵」を贈呈。その際、ブラウン氏は「これまで数多くの記者会見を経験してきたが、今日の会見が最も荘厳である」と感慨を述べました。
ブラウン氏は、プラハを「ラングドンにとって完璧な都市」と表現し、16世紀から続く神秘主義の歴史に触れました。彼は「夜のカレル橋を歩くと、今もその神秘に触れられる」と語り、プラハに根付く独特の空気について語り、出席者の共感を呼びました。
作品のテーマ: 人間の意識
本作の主題は「人間の意識」であり、ブラウン氏はこの難解なトピックに挑戦することを「煙を抱きしめるようなもの」と表現しました。執筆のため、彼は物理学者や意識研究者、臨死体験者に取材を重ね、その過程で自身の意識観が大きく変わったと語りました。
特に彼は、科学的に観察された「予知」やサヴァン症候群の事例に触れ、「私たちの意識に対する理解は大きく変わるだろう」と予言しました。さらに、母親の言葉「科学と宗教は同じ物語を語る二つの言語だ」を引用し、両者が共存する可能性について深く考察しました。
8年ぶりの新作と彼の創作スタイル
8年の沈黙を破り新作を発表することについて、彼は「800ページを書く力は才能ではなく、根気だ」と即答しました。創作の動機は「自分が読みたい本を書くこと、自分が聴きたい交響曲を作ることだ」と述べ、自分の直感を頼りにしていると明かしました。
ブラウン氏は、毎朝4時に起きて、メールやインターネットから離れた環境で執筆するという独自のルーティンも紹介しました。作業の合間には1時間ごとに休憩を取ることが彼の集中力を保つ秘訣だそうです。
Netflixドラマ化の進行状況
今作はNetflixでもドラマ化される予定で、全8チャプターによる新たな物語を期待するブラウン氏の声も紹介されました。「各エピソードが映画のような展開で、劇場では掘り下げきれなかった要素を描き出すことが可能だ」と述べています。
文末の温かい瞬間
会見の最後にラングドンの恋愛要素が加わった理由について問われたブラウン氏は、「芸術は人生を映す。今、自分が愛に満ちているから」と答え、彼の婚約者を紹介する場面では会場が温かい拍手で包まれました。
新作『シークレット・オブ・シークレッツ』の日本版は2025年11月6日にKADOKAWAから発売される予定で、上巻と下巻に分かれています。
書誌情報
- - タイトル: 『シークレット・オブ・シークレッツ』
- - 著者: ダン・ブラウン、訳者: 越前敏弥
- - 定価: 各2,750円(本体2,500円+税)
- - 判型: 四六判
- - ページ数: 上巻 400ページ / 下巻 432ページ
- - ISBN: 上巻 9784041164693 / 下巻 9784041164709
会見の詳細については、
こちらのリンクからご覧いただけます。