上月財団 第22回「クリエイター育成事業」助成対象者が決定
2025年8月1日、都内で開催された上月財団の第22回「クリエイター育成事業」の二次選考会で、漫画家、イラストレーター、デジタルアーティストを目指す若者に向けた助成対象者が決まりました。今回の取り組みは、15歳から25歳の若者を対象に、年額72万円を助成するというもので、創作活動の支援を目的としています。
2025年度の参加者募集は2月18日から5月7日まで行われ、全国から179名がエントリー。提出された漫画や映像、イラストの中から、一次選考を通過した39名が二次選考会に参加しました。当日は参加者が事前に選ばれた複数のテーマから一つを選び、実技審査と面接を受けました。この選考には、アニメーションディレクターで東京藝術大学大学院の伊藤有壱教授や、漫画家の吉住渉先生をはじめ、株式会社コナミデジタルエンタテインメントの出羽昌司専務執行役員など著名な選考委員が関わり、厳正な審査が行われました。
選考委員長の村田哲也氏は、参加者に向けて「この経験を今後の創作活動に活かし、夢や目標を実現するために挑戦し続けてください」と激励のメッセージを送りました。また、文化庁芸術文化調査官の椎名ゆかり様もご挨拶を行い、選考会の意義を強調されました。
選考会のハイライトは、選考結果発表の後に行われた合格者への認定書授与です。この日は、過去の助成を受けた漫画家の岩ちか先生が特別ゲストとして登場し、彼女の体験談を通じて参加者を励ましました。質疑応答では、熱心な意見交換も行われ、有意義な交流の場となりました。
合格者からは喜びの声が続々と寄せられています。東京藝術大学大学院に在籍する都知木愛鯉さんは、「普段は一人で作業をしていますが、多くの仲間と共に目標に向かう貴重な経験となりました」と述べ、今後の意気込みを語りました。また、総合学園ヒューマンアカデミー広島校の嘉手苅奈穂さんは、「試験前は緊張しましたが、価値ある時間を過ごしたことで、自分の中に変化がありました。独自の漫画を作れるよう努力します」と話しました。
上月財団は2004年度から「クリエイター育成事業」を通じて、これまでに734名以上の若手クリエイターを支援してきました。今後も、創作活動を目指す多くの若者たちに対して助成を行い、漫画やアニメーションなどの分野での活躍を支えていきます。
クリエイター育成事業 概要
- - 助成対象者:漫画家、イラストレーター、デジタルアーティスト等を目指す15歳~25歳頃の方
- - 助成金:年額72万円
- - 助成期間:2025年8月~2026年7月
- - 助成人数:30名
- - 選考方法:上月財団が設置する選考委員会により決定
上月財団について
上月財団は、「日本の将来は教育にあり」という理念に基づき、1982年に設立された教育に関する財団です。スポーツ関連事業、教育や文化に関する助成を行い、40年以上にわたって様々な事業を展開してきました。社会貢献を目指し、公益の増進に寄与する活動を続けています。