非典型COPD治療への新たな支援体制を構築するプロジェクト

非典型COPD患者支援プロジェクトが始動

東京都新宿区に拠点を置く株式会社Mediiと、同じく東京都港区の株式会社オーファンパシフィックは、非典型COPD（慢性閉塞性肺疾患）患者が最適な診断・治療を受けられる環境を整えるための協業プロジェクトを開始しました。

このプロジェクトでは、医師向けの専門医相談サービス「Medii Eコンサル」に、COPDや関連疾患に関する豊富な知識を持つ専門医による症例相談窓口を設けます。主治医は、全国どこでも専門医チームに相談できる体制を用意し、特に診断が難しい非典型症例の鑑別診断や治療方針の選択を支援します。これにより、COPDの診療の質を高めることを目指しています。

背景と目的

日本国内には、約530万人におよぶCOPD患者が存在し、なかには一般的なCOPDの特徴に当てはまらない非典型COPD患者もいます。これらの非典型的な病状は、喘息や他の疾患の症状と重なり、診断が難しい場合が多いのです。特に、指定難病であるα1-アンチトリプシン欠乏症（AATD）は、肺を保護するタンパク質の不足から生じる疾患で、COPDや喘息と間違われることがあります。

このような状況から、オーファンパシフィックはAATDの認知度を高めるための疾患啓発活動を行っています。また、Mediiは「誰も取り残さない医療」を掲げ、診断が困難な症例を全国のエキスパートと共に解決するための仕組みを作っています。両社の協力により、非典型COPD患者が早期に正確な診断を受けられる体制が整うことで、最適な治療へと繋がることが期待されます。

取り組み内容

本プロジェクトでは、COPDに関する専門知識を持つ医師によるエキスパートチームが編成され、Medii Eコンサル内に症例相談窓口を設立しました。これにより、主治医は日常診療での悩みを気軽に専門医に相談できます。

専門医チームと相談窓口

- 佐藤晋先生（京都大学大学院医学研究科）
- 佐藤匡先生（順天堂大学大学院医学研究科）
- 柴田陽光先生（福島県立医科大学）

相談窓口はこちらからアクセス可能で、医師専用のサービスとなっており、登録は無料です。また、非典型COPD症例を想起させる特設ページも開設予定で、主治医が簡単に相談できるサポート体制を整えます。さらに、今後はオンラインセミナーの開催も予定しており、全国の医師の臨床判断を支援する取り組みを継続して行っていく計画です。