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花粉症と向き合う新たな一歩

日本では、花粉症が年々増加しています。1998年には19.6%だった有病率が、2008年には29.8%、そして随時上昇し、2019年には42.5%に達しました。特に、約9割の患者がアレルギー反応を示すスギ花粉は、その原因となるアレルゲンが花粉外皮に付着しているCryj1（クリジェイ1）や、内部に含まれるCryj2（クリジェイ2）とされ、これらはタンパク質から構成されています。

そのような中、パナソニック株式会社の空質空調社は、有名な東京環境アレルギー研究所と共同で、今年の春に気体状次亜塩素酸がスギ花粉のアレルゲンをどのように不活化するのかというメカニズムの解明に成功しました。次亜塩素酸は、1987年から利用されている技術の一部であり、その研究はおおよそ40年にわたります。これまで、除菌や脱臭に関する効果検証が繰り返されてきた中、スギ花粉への不活化効果も確認されていましたが、その具体的なメカニズムは明らかではありませんでした。

研究による発見とその意義

このたび行われた研究でパナソニックは、特製の装置を使い、スギ花粉のアレルゲンCryj1に気体状次亜塩素酸を暴露し、どのような変化が起こるのかを確認しました。すると、アミノ酸のペプチド結合が不規則に分断されていることが明らかになりました。これにより、Cryj1は不活化し、アレルギー症状を発生させる抗原性が検出されなくなることが示されたのです。

この結果を受けて、麻布大学の名誉教授であり、ITEAの研究所所長でもある阪口氏は、「今回の発見により、スギ花粉だけでなく、他のアレルゲンも同様のメカニズムで不活化される可能性があります。この研究成果は今後のアレルギー研究において重要な意味を持つでしょう」とコメントしました。

今後の展望

パナソニックは、今後も人々がより安心して暮らせる空間作りを目指し、次亜塩素酸技術のさらなる研究に取り組んでいく構えです。この研究が進むことで、アレルギーの悩みを軽減し、多くの人々の生活の質が向上することが期待されています。

このようなパナソニックの研究は、決して単なる技術革新にとどまらず、社会全体の健康づくりにも寄与するものといえるでしょう。今後の展開に注目が集まります。

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