新たな時代の資源管理を探る
一般社団法人 次世代社会システム研究開発機構(INGS)は、2025年7月17日に『レアアース/レアメタル白書2025年版』を発刊しました。この白書は、エネルギー転換やデジタル化、安全保障といった現代の重要な潮流において、“戦略資源”としての役割を果たすレアアースおよびレアメタルに関する包括的なレポートです。昨今の急速に変化する市場動向を反映すべく、2023年8月初旬の最新情報を基に更新されているのが特徴です。
白書の目的と概要
本書は、レアアース元素(Rare Earth Elements:REE)とレアメタルの二次資源化に関する最新の動向を精査し、国内外での事業化事例や技術革新、政策動向、市場リスクと機会の全体像を分析しています。また、自動車や電池、電子部品などの各産業において進行中の代替資源や代替技術の開発についても具体的に整理し、ビジネスへの示唆を提供しています。
本書の詳細な構成
白書の全体構成は以下の通りです:
1.
グローバルサプライチェーンの実態(第1章~第4章)
- マテリアル・パスポートの導入、調達の多様化、トレーサビリティの強化について解説。
2.
市場規模と価格動向(第5章~第10章)
- 元素別の特性や用途、長期にわたる需要、価格ボラティリティに対する政策シナリオを分析。
3.
環境影響と競争力(第11章~第15章)
- 代替材料やリサイクル手法の現状に加え、ESG対応と都市鉱山への利用を促進する要素について検討。
4.
地政学的リスクの管理(第16章~第24章)
- WTO紛争や輸出規制、国際協調の重要性に触れ、地政学リスクへの対策を提示。
5.
産業別および地域別のインパクト分析(第25章~第53章)
- EV、風力発電、防衛、ITなど特定の産業におけるリスク指数を示し、詳細なインサイトを提供。
本書の主なメッセージ
この白書には様々なビジネスリーダーや政策立案者にとって、有益な情報が盛り込まれています。特に注目すべきポイントは、供給のボトルネックと中国のリスクに対する認識です。世界での生産量の69%を中国が占有し、精製シェアに至っては90%という厳しい現実が分析されています。これにより、企業は調達ポートフォリオの再設計や備蓄水準の向上が急務であることを理解する必要があります。
また、価格や需要のシナリオに関する洞察も示されており、特にエレクトリックビークル(EV)や風力発電の分野での需要が年率15%増加する予測が注目されています。これに対して、長期契約や価格ヘッジ、代替技術への投資が不可欠であるとされています。
ビジネスへの提言
企業は本書を活用し、資源調達や新規事業機会に関する洞察を得ることができます。製造業、資源業、エネルギー分野における経営層や調達・サステナビリティの担当者などに向けて、具体的な戦略提案が行われています。
読者推奨シーン
この白書は、製造・資源・エネルギー業界の経営層や政策担当者、さらに金融機関や投資ファンドのアナリストなどにとって、有用な情報源となるでしょう。特に、グリーンボンドなどの新たな資金調達手法にフレキシブルに対応していくための知識も提供されます。
結論
『レアアース/レアメタル白書2025年版』は、急速に変化する資源市場で求められる情報を幅広く網羅しており、企業や政策担当者にとっての必読書と言えます。今後の実践的な戦略形成に役立てていただきたい一冊です。