PKSHAグループとTOPPANエッジが共に新RAGサービスを開発
株式会社PKSHA TechnologyとTOPPANエッジは、生成AIの回答精度を大幅に改善するための新しいRAG(Retrieval-Augmented Generation)サービスを共同開発しました。初のサービスとして、「PKSHA AIヘルプデスク」に新プランを追加し、2024年10月15日から金融業界を中心に提供を始めます。
RAGサービスの背景
生成AIの利用が進む中で、企業内では業務の効率化や生産性向上が求められています。しかし、従来のマニュアルや業務規程がAIには適切に処理されない場合が多く、誤回答や信頼性のない情報を生むリスクがあります。この新サービスは、AIリーダブルな形式でデータを構造化することで、生成AIが正確な情報を引き出せるよう設計されています。
実証実験の成果
このサービスの開発にあたって、静岡銀行と協力し、34種類の行内規程やマニュアルをもとにテストを行いました。静岡銀行の行員から261の質問を受けて、AIが生成した回答を模範解答と比較した結果、ドキュメント正解率は87.3%から95.4%に、チャンク正解率は63.2%から84.6%に改善され、従来のRAGサービスに比べて約20%の精度向上が実現されました。
新サービスの特長
この新たなRAGサービスは、以下の特徴を持っています。
1.
AIリーダブルなデータと最適化されたアルゴリズム:生成AIは、データが構造化された形式で提供され、参照元データが簡単に読み取れることから、高品質な回答が得られます。
2.
専用ツールによるドキュメント処理:AIリーダブル化に特化した専用のツールを使うことで、大量のドキュメントを迅速に構造化し、実用に活用できる形にします。
今後の展望
両社は、この新RAGサービスにより企業の業務効率化だけでなく、従業員体験の革新も目指しています。PKSHAグループとTOPPANエッジが主催する「PKSHA AI Summit for Workplace 2024」では、今回の実証実験に基づいた詳細な情報が提供され、業界の皆様に向けたさらなる議論が行われる予定です。
サミットの詳細
- - 開催日:2024年9月25日(水)〜26日(木)
- - 形式:オンライン
- - 内容:対話型マニュアル導入による業務革新についての講演
PKSHAグループとTOPPANエッジは、今後も生成AIを利用した新たなソリューションが、企業におけるナレッジマネジメントの進化をもたらすことを期待しています。さらに、AIが読みやすいドキュメントと人が読みやすいドキュメントの両立を実現することで、業務改善につながるでしょう。