ドローン技術で夜間捜索に新たな希望
一般社団法人Japan Innovation Challenge(JIC)が開発した「ドローンを用いた夜間捜索システム」が、令和7年度の「消防防災科学技術賞」において優秀賞を受賞しました。この技術は、遭難者救助活動において重要な役割を果たすことが期待されています。
受賞の背景
受賞式は2023年11月20日(木)に開催された第73回全国消防技術者会議にて行われ、当法人の北岡 弘理事が出席しました。このシステムは、夜間の捜索を可能にする自動航行ルート作成ソフトウェアと赤外線動画解析ソフトウェアを組み合わせており、従来の捜索活動の限界を大きく打破しています。
システムの特徴
この夜間捜索システムは、次のような特徴があります:
- - 捜索ルートの自動生成:不明瞭な夜間でも、安全に捜索ルートを生成します。
- - 安定した飛行:標高に応じた安定した夜間飛行が可能です。
- - 熱源の自動検出:赤外線映像を利用し、熱源を迅速に検出します。
- - 負担軽減と効率向上:現場の人員負担を軽減し、捜索効率を大幅に向上させます。
評価されたポイント
JICの夜間捜索システムは、消防機関や自治体が抱える「夜間捜索の危険性」「人員不足」「広範囲の捜索に伴う負荷」を軽減し、発見率向上に寄与する点が特に評価されました。この受賞は、現場での課題に真摯に向き合う努力の結果であり、今後の発展が期待されます。
上村理事のコメント
上村 龍文代表理事は「今回の受賞は全国の消防機関や自治体との協働の成果です。今後は、技術開発を継続し、夜間捜索の安全性と迅速性をさらに向上させるために尽力します」とコメントしました。
今後の展望
JICは今後、全国の消防本部との連携を強化し、山岳や森林、広域災害における夜間捜索技術のさらなる高度化を図ります。また、自動航行や赤外線解析技術の機能拡張も進め、現場で実際に使用される技術を普及させることを目指しています。
無償ダウンロード
このシステムに関連するソフトウェアは、以下のURLから無償でダウンロード可能です。
Japan Innovation Challengeについて
一般社団法人Japan Innovation Challengeは、遭難時にドローン等のロボットを使って要救助者の捜索支援を行い、一人でも多くの命を救うことを目指しています。さらに、安全な捜索環境を整えるために、ハードウェアやソフトウェアの開発支援、人材育成にも力を入れています。これからのさらなる進展に注目です。