セルージョンと東邦ホールディングスが資本業務提携水疱性角膜症治療の加速へ

セルージョンと東邦ホールディングスの提携

再生医療の最前線に位置する株式会社セルージョンが、東邦ホールディングスと資本業務提携を締結しました。この提携は、水疱性角膜症の治療に向けた再生医療製品CLS001の社会実装を加速することを目指しています。

セルージョンのCLS001とは

セルージョンは、水疱性角膜症の治療に特化した細胞治療の開発を進めています。具体的には、iPS細胞由来の角膜内皮代替細胞を用いた製品CLS001を用いて、視覚を守る新たな治療法を提供しようとしています。水疱性角膜症は、角膜移植以外では失明を防ぐことができない眼科疾患で、世界中には1300万人以上の待機患者が存在しますが、実際に年間に行われる角膜移植の数は約18万件にとどまっています。

この治療の需要と供給のギャップは深刻で、ドナーからの角膜提供が必要であると同時に、熟練した医師の確保やアイバンクの整備も求められています。そのため、セルージョンは新たなアプローチとして、iPS細胞を活用した急成長可能な細胞源を基盤にした技術を開発しています。自社の特許技術を駆使して、より多くの患者に迅速に治療を提供できる体制を整えています。

具体的な展望

新たな提携関係を通じて、セルージョンは東邦ホールディングスの広範な流通網や額指出荷機能をフルに活用し、CLS001の製品流通に関する課題を克服していく方針です。具体的には、医療機関への情報提供や、市販後の安全性情報の収集など、医薬品流通におけるトータルソリューションを共同で進め、CLS001の普及を目指します。

加えて、CLS001は2021年に日本の医師主導臨床研究の承認を受け、準備が整い次第、慶應義塾大学病院での研究が始まる予定です。これにより、いち早く臨床現場での実用化が期待されています。

東邦ホールディングスの役割

東邦ホールディングスは、「全ては健康を願う人々のために」というスローガンのもと、医療や健康、介護分野での様々な事業を展開しています。同社は国内で有数の医薬品卸業者であり、再生医療や医療機器などの成長分野において、物流機能の強化に努めています。今回の提携によって、両社の強みが融合し、成長する再生医療市場における競争力が一層高まることが期待されています。